ディルムン文明と伝統文化の湾岸アラブ世界―バーレーン国立博物館の展示から読み解く石油発見以前の光景

こんばんは。今日も私の記事を訪問してくださりありがとうございます。今回は、石油産業や天然真珠産業よりも遥か前の時代に成立したディルムン文明、そしてその時代から現代に至るまで湾岸アラブ世界で受け継がれてきた伝統文化について、首都マナーマにある国立博物館の展示に基づく記事を書かせて頂きます。

 

 

何世紀も前からの伝統文化を窺い知ることができる国立博物館

 

博物館内には、石器時代から現在に至るまでのバーレーンの歴史が、1階~3階までのいくつかのエリアを用いて時代別の色々な展示を元に説明されています。私的に最も興味深かったのは天然真珠産業関連の展示ですが、それ以外のディルムン文明や伝統文化の展示もまた、遥か何世紀も前の時代のバーレーンや湾岸アラブを知る上でとても興味深いものでした。

 

 

古代メソポタミア文明を物流面で支えたディルムン文明

 

ディルムン文明は、紀元前2000年~紀元前1700年頃、イラクを中心とする古代メソポタミア文明の周辺地域に存在したとされる文明の1つです。バーレーンはディルムン文明の中心地域だったとされており、シュメール人の商人たちによって活発な商業活動が行われたとされています。ディルムンの商人たちは、ペルシャ湾の交易をほぼ独占し、銅製品、宝石類、象牙、香辛料、木材、海産物など、あらゆる商品がやり取りされ、古代メソポタミア文明、ローマ、ギリシャなどを物流面で支えていたとされています。

 

 

ディルムン文明時代の古墳のミニチュアや陶芸品の展示

 

ディルムン文明の中心地だったこともあり、バーレーンには小国でありながら、世界遺産に登録されたバーレーン要塞を始めとして7万5千を超える古墳や遺跡が全土に存在しており、館内には発掘された陶芸品や、ミニチュアの古墳や遺跡などが多数展示されています。

 

 

バーレーンで発見された古墳のミニチュアの展示。実に緻密によくできています。

 

 

 

こちらは遺跡で見つかった建物の一部の実物や、建物の一端を再現した展示になります。

 

 

 

古墳で発掘された陶芸品の展示になります。ディルムン文明下のバーレーンで造られた陶器もあれば、メソポタミアなどの海外との交易で得た陶器もあるようです。

 

紀元前2000年と言えば、日本ではまだ縄文時代。日本ではまだ海外との交易も、商業活動もなかった時代に、バーレーンでは優れた文明が築かれていたことが見て取れます。

 

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紀元前から湾岸アラブに受け継がれた様々な産業

 

博物館内には、天然真珠産業以外にも様々な旧産業に関する展示があり、ディルムン文明から現在に至るまで受け継がれてきた、湾岸アラブ世界の産業の様子を窺い知ることができます。

 

陶業の再現風景。ディルムン文明時代から商業を支えてきた歴史の長さが窺えます。

 


鉱業の再現風景。こちらもディルムン文明時代の中心産業だったようです。

 


木工業。木材もまた、ディルムン文明以来、海外との交易での主要商品でした。

 

製糸業。シルクロードから輸送された絹糸は、メソポタミアのみならず、ローマやギリシャにも輸入されました。

 

漁業。海産物もまた、メソポタミア、ローマ、ギリシャなど、あらゆる文明を支える交易商品の1つでした。

 


農産物を売買する市場の再現風景。昔も今も砂漠地帯の中東で農産物は取れないため、インドやアジア方面から輸入したものと考えられます。

 


岩塩を売買する市場の再現風景。岩塩や香辛料もまた、インドなどから輸入されたと考えられます。

 

 

湾岸アラブの産業を影で支えてきた女性たち

 

湾岸アラブでは、男性たちが様々な産業に従事する傍ら、女性たちがそんな男性たちを家庭で側面から支えてきました。

 

館内には、家事に従事する女性たちを再現した展示もあります。

 

 

昔も今も、湾岸アラブ世界の産業が女性によって支えられていることが垣間見れます。

 

 

湾岸アラブで受け継がれ続けた伝統文化

 

館内には、湾岸アラブ世界で産業と共に何世紀もの間受け継がれてきた、伝統文化に関する展示もあります。

 

 

 

伝統的な男女の衣装。女性の衣装がきらびやかでとても綺麗です。

 

 


家庭内での女性たち。やはり女性の衣装が綺麗です。男性優位と言われる湾岸アラブで、女性たちが献身的に男性たちを支えてきたことが窺えます。

 


こちらは、砂漠の民主主義とも言われる、伝統的な長老たちの会合、いわゆるマジュリスの再現風景になります。

 


コーランを中心とする子供たちの学校教育。

 

 

赤ん坊の出産や、子供たちの誕生日の時のお祝いの様子。いつの時代、どこの国でも、女性や子供が幸せそうにしている光景は、たとえレプリカであっても微笑ましくて良いものです。

 

もちろんレプリカだけでなく実際の写真の展示もあります。

 


写真の赤ちゃんがとても可愛いですね。

 

紀元前にディルムン文明という優れた文明を築き上げていただけでなく、湾岸アラブでは優れた伝統文化が、時代や主要産業が変わっても代々受け継がれてきたことが見て取れます。

 

 

伝統文化を良い形で受け継ぎつつバーレーンが発展し続けることを

 

度重なる石油危機や紛争やテロなど、何かとマイナスイメージがつきまといがちなアラブ世界ですが、紀元前の湾岸アラブ世界では、欧米諸国が紛争に明け暮れ野蛮な世界の域を出なかった時代に、ディルムンやメソポタミアなどの優れた文明を築き上げていました。

 

天然真珠産業や石油産業といった主要産業がかつてのような大きな力を失う中、湾岸アラブ世界はどのような道を今後歩んでいくのか。戒律や統制が緩く穏健な国柄で、恐怖政治やテロリズムとはほぼ無縁で平和で安定した国であるという最大の魅力を維持しつつ、伝統文化も良い形で受け継ぎながら、バーレーンにはこれからも発展を続けてほしいものです。

 

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バーレーン国立博物館の各種情報

 

入場料

 

BD1。ただし12歳以下の児童であれば無料。

 

 

開園時間

 

8時~20時。無休。

 

バーレーン国立博物館の建物と入口の外観です。

 

博物館の入口前の広場はこんな感じです。

 

 

アクセス

 

バーレーン国際空港から国立博物館まではタクシーで約12分程度。タクシー代は片道でBD5~6程度になります。

 

 

周辺地図

 

 

 

(参考に)バーレーンの各種情報

 

航空券

 

日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとアブダビ、ドバイ、ドーハ、イスタンブール、コロンボ、マニラ、香港等の経由便があり、乗継の待ち時間を含めて約20時間かかります。

航空会社はカタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空、ターキッシュエアラインズ、キャセイパシフィック航空、フィリピン航空、スリランカ航空など。

 

航空運賃は12万円~14万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が18万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
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空港でのビザ取得

 

入国時に空港で滞在ビザを取得できます。費用はそれぞれ、シングルビザ(2週間)がBD5、マルチビザ(1か月)がBD25になります。米ドル、ユーロ、クレジットカードでの支払いも可能であるため、入国時に比較的容易に取得できます。ビザ申請時には、バーレーン出国時におけるパスポートの残存有効期間が6か月以上あることが必要になります。

 

 

言語

 

公用語はアラビア語ですが、英語の通用度は非常に高く、バスやタクシー、レストラン、博物館でも普通に英語が通じます。交通標識や案内掲示板などにもアラビア語と英語が必ず併記されているため、英語が話せれば不自由に感じることはありません。

 

 

通貨

 

通貨単位はバーレーン・ディナールとフィルス。現地表記はBDおよびFils。BD1が1000Filsおよび約300円程度に相当します。

 

 

時差

 

日本よりマイナス6時間。

 

 

宿泊施設

 

バーレーンにはゲストハウスやエコノミーホテルのように安価な宿泊施設はありません。宿泊施設はビジネスホテルのレベルのものからで、最低でも6000円/泊はかかります。

 

その一方で、物価が高い首都マナーマの中心部でも10000円/泊未満で宿泊できるビジネスホテルは多数あり、そこそこ設備も整っていて周囲の騒音もさほどないため、わざわざ高級ホテルに宿泊する必要はありません。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス、朝食の有無等)をよくご確認ください。特に、バーレーンは常夏の国で、夏季(6月~9月)には最高気温が40℃を超えることもあり、冬でも最低温度が25℃にはなり、湿度が年平均で80%にも達するため、エアコンと冷蔵庫は必須と言えます。夏季や冬季の長期休暇時には、宿泊費が多少高くなることがありますのでご注意ください。

 

詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)

 

国内の見所を短時間で効率良く回るならベルトラの現地オプショナルツアーで

 

時間や日程が限られた中で、バーレーン国内の見所を効率よく観光される場合は、ベルトラのツアーの参加をお勧めいたします。

 

首都マナーマの見所を1日で回るツアーでは、国内で最大規模を誇るグランドモスクを始め、国立博物館、コーラン資料館、旧市街の市場通りや中心部の大型ショッピングモールなどの主要な見所を8時間で回ることができます。

 

また、4時間かけての半日だけのツアーも様々なものが催行されており、ムハッラクの世界遺産を巡るツアー、第1号油田と石油博物館と生命の木を見学するツアー、ディルムン文明の遺跡を巡るツアーなどが、主な半日だけのツアーとして催行されています。

 

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ベルトラの現地オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。

 

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