マウントバーノンにて南部の農園主としてのジョージ・ワシントンの姿を読み解く

こんばんは。今日も私の記事を訪れてくださりありがとうございます。

 

アメリカ人でなくても、ジョージ・ワシントンの名前を知らない方は恐らくいないでしょう。アメリカの初代大統領、建国の父であることは多くの方がご存知ですが、ワシントンが南部の農園主であることは、意外と知らない方もいらっしゃるようです。

 

アメリカ建国の父として知られるワシントンは、300人以上の奴隷を所有し、奴隷たちの労働の上に築かれた大型プランテーションを南部のバージニア州に所有する、紛れもない南部の地主、農園主でもありました。奴隷制に否定的な見解を度々唱え、自らの死後に遺言で奴隷たちを解放したワシントンは、一方で生前には奴隷たちを冷徹に管理・監督する農園主でした。ワシントンに限らず、こうした二面性とも見られる特徴は、建国の父たちが抱えていた大きな矛盾とも言えるかと思います。

 

今回の記事では、バージニア州にあるマウントバーノンの光景を元に、南部の地主、農園主としてのジョージ・ワシントンの姿について、読み解いてみたいと思います。

 

 

異母兄ローレンスから相続した生涯の棲家

 

元々マウントバーノンは、ジョージ・ワシントンの異母兄ローレンスが、父オーガスティンから相続したものです。ワシントンが12歳の時に父オーガスティンが享年49歳で亡くなったため、ワシントンは兄ローレンスを父のように慕い尊敬して成長しました。

 

そのため、幼年期からワシントンは社交の場としてマウントバーノンに顔を出し、また14~15歳までに高度な測量技術を習得したワシントンは、マウントバーノンで兄や客人たちの前で測量や図面作成の腕前を披露していたと言われています。

 

やがて最愛の兄ローレンスが享年34歳という若さで1752年に亡くなります。この時ワシントンは20歳の若さでしたが、以後67歳で亡くなるまでの40年以上に渡り、マウントバーノンはワシントンの生涯の棲家となります。

 

 

職場と家庭を兼ね備えたワシントンの邸宅

 

そして1759年に2人の子持ちである未亡人のマーサと結婚して以降は、政治家・農園主の仕事を兼務しただけでなく、子供たちの成長、孫たちの誕生と成長をも見守った、ワシントンの職場と家庭を兼ね備えた棲家となります。

 

ビジターセンターにある、ワシントン一家4人の銅像です。子供たちは2人とも未亡人マーサの連れ子で、ワシントン自身には血の繋がりのある子供はいません。

 

ビジターセンターにはマウントバーノン全体の概観図もあります。もちろん同じマップを受付時にもらえます。

 

ワシントンが40年以上暮らした邸宅の外観。邸宅は、ガイドツアーでのみ内部を見学できます。

 

 

ただし内部の撮影は禁止されているため、本記事では外観写真のみ掲載させて頂きます。書斎、居間、寝室、台所など、14の部屋が公開されていますので、訪問時に是非目の当たりにしてみてください。

 

 

様々な作物が豊富な美しい庭園

 

マウントバーノンでは邸宅だけではなく、様々な作物が豊富な美しい庭園自体が大きな見所です。

 

以下、庭園の風景写真を適当に。

 

 

 

 

 

 

 

 

色々な作物の綺麗な木々や花々が豊富にあります。

 

ヴァージニア州での伝統的な農業はタバコ栽培ですが、イギリス本国、特にロンドンの商館との不利益な取引を忌避したいと考えたワシントンの方針で、マウントバーノンでは小麦、穀物、果樹園、葡萄園、菜園など、タバコ以外の栽培が行われていました。

 

冬でも果樹の栽培が可能なように、温室もあります。ワシントン自身が建物の外観を設計したようです。

 

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邸宅の周囲にある召使たちや奴隷たちの建物群

 

また、庭園と共に生活した召使たちや奴隷たちの住居、台所、燻製小屋、洗濯小屋、馬小屋など、邸宅の周囲にある建物群もマウントバーノンの見所です。

 

 

白人の召使の住居の内部。質素ですがベッドの寝心地はそれなりに良さそうです。

 

 

洗濯小屋の内部。質素ですが綺麗な小奇麗な部屋です。

 

燻製小屋の内部。展示品は模造品ですが匂ってきそうな雰囲気です。

 

一方、こちらは奴隷たちが集団で暮らしていた住居です。

 

奴隷たちの住居の内部は以下のような感じです。

 

 

 

白人の召使の部屋と比べると、寝床も部屋自体もかなり粗末で見栄えも良くなく、居心地も悪そうです。もっとも、ベッドで寝られた成人奴隷たちはまだましで、奴隷の子供たちは地べたで寝なければならなかったようですが。

 

 

パイオニアファームとアンクルトムの小屋

 

また、邸宅や周囲の建物群から徒歩15分ほど離れた場所にはパイオニアファームがあり、そこには作物の格納倉庫と奴隷小屋があります。

パイオニアファームの外観。

 

作物の格納倉庫。

 

そしてこちらが奴隷小屋。アンクルトムの小屋のイメージにぴったりな気がします。扉も窓もないので冬は途方もなく寒そうです。

 

ワシントン一家の邸宅と、奴隷たちの小屋との格差はやはり相当なものがあります。

 

 

ワシントン夫妻の墓と奴隷たちの慰霊碑

 

パイオニアファームの近くに、ワシントン夫妻の墓があります。

 

中にある棺は見れませんが、墓の外観はとても立派です。

 

ワシントン夫妻の墓のすぐ近くには、奴隷たちの慰霊碑と集団墓地があります。

 

慰霊碑には奴隷たちを慰霊するメッセージが刻まれています。

 

集団墓地では、現在でも奴隷たちの遺骨の発掘作業が続けられています。

 

立派な外観のワシントン夫妻の墓と、黒人奴隷たちの無名の集団墓地。この格差もまたやはり相当大きなものがあります。

 

 

大きな格差を抱えた南部の農園主としてのジョージ・ワシントン

 

民主主義国家アメリカの建国の父として、ジョージ・ワシントンが偉大な人物であることに疑いの余地はありません。しかしバージニア州のマウントバーノンの光景から垣間見れたのは、300人を超える奴隷たちの過酷な労働の上に成り立つ広大な農園を所有する、南部の農園主としてのジョージ・ワシントンの姿でした。

 

ワシントンは決して冷酷で残忍な管理者ではありませんが、奴隷たちの冷徹な管理者であったことは確かであり、邸宅と奴隷たちの住居の大きな格差、ワシントン夫妻の墓と奴隷たちの無名の集団墓地の格差から、農園の広大さや美しさと対照的に、当時の奴隷たちの置かれた状況を垣間見ることができます。

 

マウントバーノンはバージニア州で有数の見所であり、首都ワシントンからのアクセスもかなり良いので、是非とも訪れてみて頂きたいのですが、訪れた際には、農園の広大な美しさだけでなく、当時の奴隷たちについても想いを馳せてみてください。

 

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マウントバーノンの各種情報

 

入場料

 

通常は20USD(6~11歳は10USD、62歳以上は16USD)。ホームページからの購入は割引あり。Washington Birthday Holiday(2月の第3月曜日)は無料。

 

 

開園時間

 

4月~10月は毎日9時~17時。11月~3月は毎日9時~16時。無休。

 

 

注意事項

 

邸宅内では写真撮影禁止

 

 

アクセス

 

地下鉄イエローラインHuntington駅から、フェアファックス・コネクター・バスの#101″Fort Hunt”線(1.75USD)が終点のマウントバーノンまで約20分。平日は30分間隔、土日祝は1時間間隔の運行。バス乗り場は同駅の北側にあり。もしくは同駅からタクシーで片道23USD。ワシントンDC中心部から同駅までは地下鉄で約30分。

 

ワシントンDCでの地下鉄及びバスについては、首都圏交通局の路線マップでご確認ください。

 

 

周辺地図(地下鉄イエローラインHuntington駅)

 

 

 

周辺地図(マウントバーノン)

 

 

 

(参考に)アメリカ合衆国の各種情報

 

航空券

 

ワシントンDCには東京(成田)から直行便で約12時間半。乗継便にはシアトル、サンフランシスコ、デトロイト、シカゴなどを経由する便があり、いずれも乗継時間を含めて20時間以内。

 

航空会社はユナイテッド航空、デルタ航空などが主力。航空運賃は往復10~12万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が5万円以上跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

海外格安航空券を探すなら スカイチケット!

【航空券+ホテル】海外旅行エクスペディア★パッケージツアー

 

 

ビザ

 

90日以内の観光及び商用目的の滞在であればビザは不要。ただし、頻繁にアメリカへの出入国を繰り返していたり、アメリカでの滞在が長い方はイミグレーションの判断で入国が拒否されることもあります。

 

また、90日以内の観光もしくは商用でも、過去にアメリカ政府がテロ支援国家に指定している国々(イラン、イラク、リビア、シリア、北朝鮮、イエメン、スーダン、ソマリアなど)に渡航経験のある方は、ビザの申請と取得が必要になります。

 

アメリカのビザの種類と申請方法については、米国ビザ申請のウェブサイトにてご確認ください。

 

 

言語

 

公用語は英語ですが、スペイン語も広範囲で通じます。

 

 

通貨

 

通貨単位はドル。現地表記はUSD。1USDが約110円程度に相当。

 

 

時差

 

アメリカには本土内に以下4つの時間帯があります。

 

太平洋標準時間Pacific Standard Time(ロサンゼルスなど):日本よりマイナス17時間
山岳部標準時間Mountain Standard Time(デンバーなど):マイナス16時間
中部標準時間Central Standard Time(シカゴなど):マイナス15時間
東部標準時間Eastern Standard Time(ワシントンDCなど):マイナス14時間

 

夏はデイライト・セービング・タイム(夏時間)を採用して時計が1時間早くなる州が多く、その場合日本との時差は1時間短くなります。

夏時間は3月第2日曜日から11月第1日曜日まで。

 

 

宿泊施設

 

ワシントンDCでのエコノミーホテルの目安は大体8000~10000円程度です。ただしゲストハウスやドミトリーなどを利用すれば3000~4000円程度でも宿泊することは可能です。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認の上、夏季や冬季の長期休暇が近づくと宿泊費が高くなったりするのでご注意ください。

 

詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)