天然真珠産業時代の湾岸アラブ世界―バーレーンの真珠商人の住居とフォートから見る石油発見以前の光景

こんにちは。今日も私の記事を訪問してくださりありがとうございます。今回は、バーレーンのムハッラクにある真珠商人の住居やフォートを元に、天然真珠産業が主要産業だった時代の光景が残る、石油発見以前の湾岸アラブ世界の街並みに関する記事を書かせて頂きます。

 

 

石油発見以前の湾岸アラブの主要産業だった天然真珠採取

 

1932年にバーレーンで湾岸アラブ諸国初の石油が発見されるよりも以前、バーレーンを始めとする湾岸アラブ諸国では10世紀以上に渡り、天然真珠採取が主要な産業でした。世界恐慌や養殖真珠の台頭や石油産業の勃興を機に衰退するまで、イギリス保護国下でアル・ハリーファ首長家が天然真珠を全面的にバックアップし続けてきました。

 

 

世界遺産に登録された真珠商人の住居ベイト・シャディ

 

その天然真珠産業時代の象徴とも言える文化遺産が、ムハッラクの中心部にある、真珠商人の住居です。

 


この住居2棟はバーレーンの真珠産業が黄金期を迎える1850年~1920年にかけて、当時最も富裕な真珠商人だったアハマド・ビン・カシム・シャディの一族によって建設された、ベイト・シャディと呼ばれるもので、世界遺産にも登録されています。

 

大型一軒家の裏にはモスクまであり、現在の基準で見ても十分大きな規模の住居で、当時の真珠商人たちがいかに豊かな暮らしを誇っていたか、その一端を垣間見ることができます。

 

住居の裏側にあるモスク。改装工事中だったために、住居やモスクの中に入れなかったことがとても残念です。

 

私有財産としては十分な富裕ぶりを感じさせるものの、一方でモスクの造りには近代さや派手さが感じられず、かなり簡易で質素な印象を受けます。

住居とモスクの間には少人数規模の集会場のような雰囲気の広場があります。もしかしたら当時はここで今後の産業の在り方などについて、議論が交わされていたのかもしれません。

 

周囲には文化センター?のような建物もあります。もしかしたらこの建物も当時は真珠商人一族のものだったのかもしれません。

 

ムハッラクには、シャディ一族の住居やモスク以外にも、数多くの真珠商人たちによって住居や商店が建設されており、バーレーンの真珠産業の黄金期時代に真珠商人たちによって蓄積された富の一端を、ムハッラクの街並みから垣間見ることができます。

 

 

首長の住居兼仕事場のベイト・シェイク・イーサー・ビン・アリー

 

当時に富裕さを誇ったのは真珠商人だけではなく、首長や王族も同じ。真珠商人の住居のすぐ近くに、当時の首長の住居兼仕事場として使われた、ベイト・シェイク・イーサー・ビン・アリーという建物があります。

建物の外観は質素ですが、規模的には十分な大きさで、現在の基準で見ても十分な富裕さを持った人間の住まいだと言えます。

 

かつてここに住んでいたのは、天然真珠産業が黄金期を誇った1923年まで首長だった、イーサー・ビン・アリーことイーサー首長。以降の天然真珠産業の衰退と石油産業の勃興の時代には、イーサー首長の息子であるハマド・ビン・イーサーことハマド首長の下で、潜水士の待遇改善を始めとする、天然真珠産業の大きな改革が行われました。

 

イーサー首長が住んでいた建物のすぐ隣にもまた、先の真珠商人の住居と同様にモスクが建てられています。

 

 

先の真珠商人の住居に併設されたモスクに比べると、派手さはないもののかなり近代的で大規模な造りです。当時の時代背景や、真珠商人や首長といった人たちの富裕さを考えると、これらのモスクは社会的地位の高さの象徴とも言えるのかもしれません。

 

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天然真珠時代の象徴である伝統的なモスクと木造ダウ船

 

ここはイスラム教国であるバーレーンなので、ムハッラクの街中にはこの2つの他にもたくさんのモスクが見られます。

 

こちらは街中に立っている別のモスク。派手さはないものの真っ白くて綺麗です。

 

こちらはムハッラクの中心部から少し離れた、海岸沿いにあるモスク。地味ですがやはり綺麗です。どちらのモスクも、石油発見以前の天然真珠時代を象徴するかのような古めかしい姿をしています。

 

海岸沿いのモスクの近くには、役割を終えた、伝統的な木造のダウ船が展示されています。これもまた天然真珠時代の伝統文化の象徴と言えます。

 

 

天然真珠保護と海岸線防衛のために築かれたアラッド・フォート

 

バーレーンで真珠採取が主要産業だったのは10世紀以上前からであり、1782年からのアル・ハリーファ首長家の支配開始よりも遥か前の時代にさかのぼります。それまでバーレーンはポルトガル人、ペルシア人、オマーン人など、外国の様々な異民族によって支配されてきました。

 

そんな外国支配の象徴の1つである、オマーンに占領されていた16世紀に築かれた要塞、アラッド・フォートが、ムハッラクの海岸沿いにあります。

 


フォートの外観はこんな感じです。

 

アラッド・フォートはムハッラクへの船の出入りを監視する目的で建設されましたが、天然真珠産業が当時から既に主要産業で植民地政府の貴重な財源だったことから、海岸線の防衛によって外来船が天然真珠産業に及ぼす脅威を防ぐためという目的が大きかったようです。

 

フォートの内部は以下のような感じで、ゲートのある階と外来船を監視する階の2階建てになっています。

 

 

 

2階には当時から設置されていた大砲も残されています。

 

フォートの壁を見ると、石造りではあるものの、何となく貝塚に似たような造りになっているのが見て取れます。

 

フォートにもまたモスクが隣接していますが、フォートの役割の終了に伴い、このモスクも閉鎖されました。

 

 

天然真珠産業時代の名残を持つムハッラクの街並み

 

このムハッラクという街の雰囲気全体が、石油発見以前の天然真珠産業下の湾岸アラブ世界の雰囲気を持っています。

 

 

 

 

 

 

高層ビルは全くなく、一軒家や数階建ての小型マンションが立ち並び、無数のショップでは様々な商品が売られ、商店街としてかなりの活況を呈しています。

 

対岸の首都マナーマから眺めたムハッラクの写真。対岸から見てもやはり高層ビルはほぼ皆無で、石油発見以前の伝統的な建物が立ち並ぶ街並みがとても印象的です。

 

 

時代を経て変容された伝統文化と街並みを持つムハッラク

 

このバーレーンのムハッラクには、当時の天然真珠時代の伝統を維持しつつ、時代の中で良い形に変容した文化や街並みが確かにあります。世界遺産に登録されるに相応しい数々の文化遺産を備えた、1つの良い形での文化と街並みを持つ都市として、是非一度バーレーンのムハッラクを訪れて頂き、現地の雰囲気を体感して頂くことをお勧めします。

 

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ムハッラクの見所の各種情報

 

入場料

 

ベイト・シェイク・イーサー・ビン・アリーとアラッド・フォートはいずれもBD1。

 

ベイト・シャディは2017年5月現在、改装工事のため建物内は閉鎖中。入場可能になっているかどうかは現地を来訪された際にご確認ください。

 

 

開園時間

 

ベイト・シェイク・イーサー・ビン・アリーは、土曜日~水曜日は7時~14時、木曜日は9時~14時、金曜日は15時~18時になります。無休。

 

アラッド・フォートは、日曜日~水曜日は7時~14時、木曜日と土曜日は9時~18時、金曜日は15時~18時になります。無休。

 

ベイト・シャディは2017年5月現在、改装工事のため建物内は閉鎖中。入場可能になっているかどうかは現地を来訪された際にご確認ください。

 

 

アクセス

 

バーレーン国際空港からムハッラクまではタクシーで約10分程度。タクシー代は片道でBD5~6程度になります。

 

 

周辺地図(ベイト・シャディ)

 

 

 

周辺地図(ベイト・シェイク・イーサー・ビン・アリー)

 

 

 

周辺地図(アラッド・フォート)

 

 

 

(参考に)バーレーンの各種情報

 

航空券

 

日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとアブダビ、ドバイ、ドーハ、イスタンブール、コロンボ、マニラ、香港等の経由便があり、乗継の待ち時間を含めて約20時間かかります。

航空会社はカタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空、ターキッシュエアラインズ、キャセイパシフィック航空、フィリピン航空、スリランカ航空など。

 

航空運賃は12万円~14万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が18万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
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海外格安航空券を探すなら スカイチケット!

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空港でのビザ取得

 

入国時に空港で滞在ビザを取得できます。費用はそれぞれ、シングルビザ(2週間)がBD5、マルチビザ(1か月)がBD25になります。米ドル、ユーロ、クレジットカードでの支払いも可能であるため、入国時に比較的容易に取得できます。ビザ申請時には、バーレーン出国時におけるパスポートの残存有効期間が6か月以上あることが必要になります。

 

 

言語

 

公用語はアラビア語ですが、英語の通用度は非常に高く、バスやタクシー、レストラン、博物館でも普通に英語が通じます。交通標識や案内掲示板などにもアラビア語と英語が必ず併記されているため、英語が話せれば不自由に感じることはありません。

 

 

通貨

 

通貨単位はバーレーン・ディナールとフィルス。現地表記はBDおよびFils。BD1が1000Filsおよび約300円程度に相当します。

 

 

時差

 

日本よりマイナス6時間。

 

 

宿泊施設

 

バーレーンにはゲストハウスやエコノミーホテルのように安価な宿泊施設はありません。宿泊施設はビジネスホテルのレベルのものからで、最低でも6000円/泊はかかります。

 

その一方で、物価が高い首都マナーマの中心部でも10000円/泊未満で宿泊できるビジネスホテルは多数あり、そこそこ設備も整っていて周囲の騒音もさほどないため、わざわざ高級ホテルに宿泊する必要はありません。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス、朝食の有無等)をよくご確認ください。特に、バーレーンは常夏の国で、夏季(6月~9月)には最高気温が40℃を超えることもあり、冬でも最低温度が25℃にはなり、湿度が年平均で80%にも達するため、エアコンと冷蔵庫は必須と言えます。夏季や冬季の長期休暇時には、宿泊費が多少高くなることがありますのでご注意ください。

 

詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)

 

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ベルトラの現地オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。

 

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