こんにちは。今回からしばらくの間は、アイルランドの首都ダブリンの見所について紹介させて頂きます。

過酷な独立戦争と内戦を経験したアイルランド

ギネスビールやパブ、エンヤの音楽等、アイルランドは至って平和の国のイメージがありますが、今でこそ平和なアイルランドは、イギリスからの独立戦争やその後の内戦、さらにはIRAのテロのように、過酷な紛争を続けて経験した国でもあります。今回の記事では、アイルランドの独立戦争と内戦の象徴である、中央郵便局とフォー・コーツ(最高法廷)について紹介させて頂きます。

イースター蜂起とアイルランド独立の象徴である中央郵便局

ダブリンの中央郵便局は、独立戦争初期の1916年にイースター蜂起でアイルランド義勇軍の司令部とされ、義勇軍の臨時大統領であるパトリック・ピアースによって共和国宣言が読み上げられた場所です。イースター蜂起自体はイギリス軍に1週間で鎮圧されて、パトリック・ピアースら主要メンバーが処刑されて失敗しましたが、今なお中央郵便局はアイルランド独立の象徴とされています。

ダブリンの主要大通りであるオコンネル・ストリートから見た中央郵便局の外観です。
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屋根の上には、アイルランドを擬人化したハーブを持つ像と、アイルランド国旗が掲げられています。

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郵便局の内部はこんな感じで、ヨーロッパのどこにでもある普通の郵便局といった感じ。

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ただしイースター蜂起を記念して製作された伝説の英雄ク・ホリンの像と花束が置かれ、右横にはイースター蜂起を記念した飾り板が置かれているように、ここは紛れもなくアイルランドであり、この郵便局の建物が歴史的な重みを持っていることが分かります。

独立戦争や内戦関連の展示が多数ある中央郵便局地下博物館

1階は通常の郵便局として機能していますが、中央郵便局の地下はイースター蜂起に関する様々な展示がある博物館として機能しています。

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蜂起当時の中央郵便局と街の様子。

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アイルランド独立を掲げる共和派、イギリスへの残留を望む保守派、女性連盟、社会主義同盟等が、象徴的に書かれた絵です。

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富裕層の子供の象徴絵とその家庭の概観。

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貧困層の子供の象徴絵と家庭の概観。

極端な貧富の差に対する怒りが原動力となった反映独立戦争。かといってイギリスから独立しても直ちに改善や解消がなされるわけでもありません。にもかかわらずイギリスさえ追い出せば全ての諸問題が即時に解決するかのように錯覚し、そのためには暴力での内戦や爆弾テロも辞さないという考えを蔓延させたことが、アイルランドで紛争が長引いた遠因ではないかとも思えてきます。

イースター蜂起当時の壁画やビラも色々展示されています。
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独立を訴えるビラと一緒にタイタニックのチラシが貼られているのがいかにもアイルランドならではです。

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蜂起時に使用された重火器。

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司令部で用いられた通信設備。

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同じく司令部で使用されたタイプライターの展示もあります。

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こちらはイギリス軍が当時使用していた軍服です。

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一方こちらは内戦時の共和派ゲリラの服装。後ろの写真は砲撃されたフォー・コーツ(最高法廷)です。

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こちらは女性連盟の軍服です。

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1階に戻り、中央郵便局の中庭に出るとこんな感じです。

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蜂起時に亡くなった人たちのための慰霊碑が置かれています。

アイルランド内戦の象徴である最高法廷(フォー・コーツ)

中央郵便局から路面電車で数駅移動した場所に、フォー・コーツと呼ばれるアイルランド最高法廷があります。ここにはアイルランド共和国の最高裁判所、高等法院、特別刑事裁判所等が置かれています。
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このフォー・コーツは残念ながら、一般の観光客の立ち入りは禁止されています。

このフォー・コーツもまたイースター蜂起時の反英闘争の拠点となりましたが、こちらは内戦の象徴である施設としての方が有名でしょう。英愛条約に反対する共和派ゲリラたちに1922年に占拠され、マイケル・コリンズ首相率いる自由国軍が砲撃を加えて破壊し、内戦の引き金となった施設です。

砲撃で破壊され、1932年にフォー・コーツが再建されるまで、最高法廷の機能はダブリン城に移されることになりました。

異文化が融合された国の雰囲気を知るのが海外旅行の醍醐味

中央郵便局やフォー・コーツは、独立戦争や内戦の象徴、いわばアイルランド共和国の象徴ともいえる施設ですが、イギリス植民地時代に建設された施設が現在でもイギリス時代と全く同じ目的で使用されているというのは、歴史の長さを感じると同時に、何だか皮肉な感じがしました。

アイルランドの人たちは一般的に今でもイギリスを嫌っているというか敬遠しているのですが、イギリスから受け継いだ施設が植民地時代と同じ目的で活用されているのもまた、アイルランドらしいところであり、このように、異文化が融合された国の雰囲気を感じられるのは、海外旅行の大きな醍醐味の1つです。

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アイルランドのダブリンの見所については、以下の記事もご参照ください。
カテゴリ:アイルランド > ダブリン
また、旅行記ではありませんが、アイルランド共和国に関する映画については、以下の記事をご参照ください。
カテゴリ:世界の映画 > 南北アイルランド

入場料

中央郵便局は、郵便局内だけなら無料。地下博物館は2ユーロ。
フォー・コーツは一般観光客の立入禁止。

開園時間

中央郵便局は、月~土曜の10時~17時。日曜・祝日は休館。
フォー・コーツは一般観光客の立入禁止。

アクセス

中央郵便局は、路面電車であるルアス(Luas)・レッドラインのアビー・ストリート(Abbey Street)駅から徒歩4~5分。
フォー・コーツは同じくルアス・レッドラインのフォー・コーツ(Four Courts)駅から徒歩1分。
詳しくはルアスの路線図をご参照ください。

ダブリン空港から市内には、バスでオコンネル・ストリート(O’Connnel Street)まで約30~45分。バスはダブリンバスNo.16で3.3ユーロ、エアリンクNo.747で6ユーロ(往復10ユーロ)、エアコーチNo.700で7ユーロ(往復12ユーロ)になります。詳しくはバスの時刻と路線をご参照ください。

周辺地図(中央郵便局)

周辺地図(フォー・コーツ)

(参考に)アイルランドの各種情報

■航空券
日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとドバイ、アブダビ、ドーハ、イスタンブール、ロンドン、アムステルダム等の経由便があり、乗継地までは約12時間、そこからダブリンまで3~7時間程度の移動となるため、乗継の待ち時間を含めて20時間以上かかります。

航空会社はエティハド航空、エミレーツ航空、カタール航空、ターキッシュエアラインズなど。航空運賃は8万円~16万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が20万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意ください。
詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
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■ビザ
6か月以内の滞在であればビザは不要。ただしパスポートの有効期限が、観光の場合は3か月以上、修学の場合は6か月以上残っていることが必要となります。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日アイルランド大使館などでご確認を。

■言語
英語

■通貨
通貨単位はユーロ(€)。1€が約132円程度に相当。

■時差
日本よりマイナス9時間(サマータイム実施中は日本よりマイナス8時間になります)。

■宿泊施設
安価なホテルやゲストハウス、ドミトリーなどであれば4000~5000円/泊程度でも泊まれますが、そこそこ設備の良いホテルだと8000円/泊以上かかります。

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。特に、アイルランドでは夏でも肌寒く、最高気温でも17~18度にしかならないので、暖房の有無をご確認ください。夏季や冬季の長期休暇が近づくほど宿泊費が高くなるため、早めに予約するようにしてください。詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com 
TripAdvisor (トリップアドバイザー)