前回に引き続きシンガポールの地域紹介、今回はアラブ・ストリートとブギス・ストリートの紹介をさせて頂きます。

イギリス植民地時代に形成されたアラブ人街

シンガポールでなぜアラブ?と思われるかもしれませんが、実はイギリス植民地時代のシンガポールは、マレー半島やインドネシア等の近隣諸国から集まったイスラム教徒が、メッカへの巡礼船に乗るために集まるハブ港の役割を果たしていました。

そのイスラム教徒たちは船を待つ間、現在のアラブ人街を宿泊地として活用しました。一方、メッカ巡礼を機に東南アジア諸国のイスラム教徒たちと交流を持ったアラブ人たちもまた、交易のために現在のアラブ人街に宿泊し、中には移住するアラブ人もいました。

イスラム文化が強くモスクが多いアラブ・ストリート

現在はシンガポールにアラブ人はほとんどいませんが、歴史的経緯故に、アラブ・ストリートはシンガポールで最もイスラム文化の強い街のような気がします。モスク等のイスラム文化遺産が圧倒的に多い。

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こちらはサルタン・モスク。シンガポール最大最古のモスク、といっても建立年が1928年なので比較的新しい方ですが。

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こちらはハジャ・ファティマ・モスク。イスラム様式と西洋建築がミックスしたユニークなモスクで、シンガポールの国定史跡となっています。建立者はマラッカ出身の裕福なマレー新女性であるハジャ・ファティマで、彼女の墓もこのモスクの中にあるとか。

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こちらはマレー・ヘリテージ・センターです。元々はジョホール王国の王族たちの家で、イギリス東インド会社のラッフルズとジョホール国王サルタンが貿易拠点協定を結んだ1819年以降、1999年というつい最近まで王族たちが住んでいたそうです。

その後、王族への年間35億シンガポールドルの補償金と引き換えに、シンガポール政府による大改修が進められ、現在のマレー・ヘリテージ・センターとなりました。

ショップハウスとアラブ文化遺産から成るアラブ・ストリート

アラブ・ストリートの街並みは以下のような感じ。
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チャイナタウンやリトル・インディアと同様、土産物店等の小規模なショップハウスが連なっていますね。背後にある高層ビルとの対比が印象的で、さすがシンガポールといったところでしょうか。

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ショップハウス街のハウスにアラブ文化遺産の描画が見られるのはいかにもアラブ・ストリートならではです。

アラブ人街の名残は殆どなく現代的なブギス・ストリート

アラブ・ストリートはどちらかというと穏やかな文化遺産街といった感じですが、この地域で最も活気があるのはブギス・ストリートです。雰囲気は以下のような感じ。
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衣服のショップが多いので、訪れる人もどちらかというと女性が多い気がします。

アラブ・ストリートとは対照的に、ブギス・ストリートはアラブ人街の時代の名残は殆どなく、かなり現代的です。もちろんイスラム系の店はあるしムスリムの来訪者は多数いますが、それよりも中国系の店や来訪者の方が圧倒的に多い気がします。

ブギス族の文化が異文化と融合し変遷したブギス・ストリート

余談ですが、ブギスとは、19世紀にオランダ支配を嫌ってインドネシアからシンガポールに逃亡してきたマレー系の一部族です。

ブギス族は、アラブ人街のすぐ隣にコミュニティを築いて代々交易を続けていましたが、蒸気船の時代が到来し、交易の拠点が欧州諸国に移り変わると同時に、シンガポールから去りました。インドネシアやマレーシアでは、著名な政治家も含めて数多くのブギス族が今なお多数暮らしています。

シンガポールもイギリス植民地時代等には異文化や異民族との衝突が多々あったようですが、文化というのは長期的には融合しあって変化していくものです。このブギス・ストリートのように。

移民や異民族が増加しても治安が良好で平和なシンガポール

シンガポールは紛れもなく、多民族・多文化が混然とした国で、それが却って平和な気がします。移民や異民族が増えると犯罪も増えると思い込んでいる人はこの日本にも多いですが、ことシンガポールを見る限り、それは根拠のない大嘘だと言えます。

治安にせよ犯罪にせよ、原因は移民や異民族云々ではなく、結局はその国の法律や制度の問題に過ぎません。その意味でシンガポールは、移民と異人種が増えても治安が良好で平和な、多民族・多文化が共生する、良き国のモデルだと言えます。

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カテゴリ: シンガポール

入場料

いずれも無料。

開園時間

(サルタン・モスク)10時~12時、14時~16時(金曜日は14時半~16時)。無休。

(ハジャ・ファティマ・モスク)9時半~21時。無休。

アクセス

MRTのブギス駅もしくはニコル・ハイウェイ駅からからいずれも徒歩圏内で10分以内。シンガポールのMRTについてはシンガポールMRT路線図をご参照ください。

周辺地図

(参考に)シンガポールの各種情報

■航空券
東京(羽田or成田)~シンガポールまで直行便で約7~8時間。乗継便では乗継時間も含めて約12~18時間。航空運賃は4万円~8万円。航空会社は直行便はJAL、ANA、デルタ航空、シンガポール航空など。乗継便はエアアジア、中国南方航空など。関空、福岡などからも直行便があります。

乗継便の方が安いですが、その分時間がかかります。休暇や盆休みなどの連休には航空運賃が跳ね上がることもあるのでご注意。

エアアジアが一番格安ですが、他の航空会社便と空港が違い、荷物制限があったり、食事や飲料が運賃とは別料金だったりするのでご注意ください。
詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
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■ビザ
14日もしくは30日(入国審査官の判断によりますが、観光であれば通常30日となることが多いです)であればビザは不要。ただしシンガポール出国のための航空券が必要。それ以外は原則ビザが必要なため、在日シンガポール大使館などで確認を。

■言語
公用語は英語、中国語、マレー語。

■通貨
1シンガポールドル($)が81~83円程度に相当。

■時差
日本よりマイナス1時間。

■宿泊施設
シンガポールは宿泊費が高く、そこそこ設備の整ったホテルに泊まろうとすると最低でも15000円/泊はかかります。ただしカプセルホテルであれば10000円/泊未満でも宿泊することは可能です。ホテルの条件(Wi-Fi、エアコン、冷蔵庫、洗面用具やタオル、部屋の広さ、最寄駅からの距離など)について十分ご確認ください。
シンガポールはホテル代も含めて物価は全体的に高めですが、タクシー、バス、MRTなどの公共交通費は安いです。
詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
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