こんばんは。前回に引き続き西ベルファストのカトリック地区について。今回はバリーマーフィー通りについての記事を書かせて頂きます。

紛争時はハイリスク・エリアだったバリーマーフィー通り

ベルファストの中でも低所得層の人々が住む二階建てフラットが立ち並ぶ公営住宅街である西ベルファスト。前回紹介させて頂いたフォールズ通りと同様、IRA(アイルランド共和軍)の過激派たちのかつての溜まり場であり、警察や軍とIRAとの戦闘で日々多くの人々が亡くなり、紛争当時はハイリスク・エリアとされていたカトリック地区のバリーマーフィー通りの現在はどうなっているのでしょうか。

カトリックの政治目的が掲げられた無数の壁画

フォールズ通りとは離れた場所にあるバリーマーフィー通りも、やはりカトリック地区なので、同じような政治目的を掲げた壁画が目立ちます。
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「Bullet(銃弾)からBallot(投票用紙)へ」と書かれた壁画もありました。言葉の引っ掛けはとてもうまいです。2016年という比較的最近描かれた壁画のようです。この言葉の通り、少なくとも平和だけは実現したので、これからもこのメッセージの姿勢は貫き続けてほしいものです。

壁画に描かれた無差別テロの犠牲者はカトリック側の犠牲者だけ

UVF(プロテスタント系のテロ組織、アルスター義勇軍)の無差別テロで犠牲になった、カトリック系の無辜の人々を悼む壁画もあります。
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もちろん、IRAであれUVFであれ、無差別テロ自体が非道な行為であり、絶対に許すべきものではありません。理不尽なやり方で犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。

ただ、IRAのテロによる犠牲者の方が、UVFのテロによる犠牲者よりも圧倒的に多いのに、犠牲を悼むのは仲間であるカトリックの側だけで、相手側の犠牲のことは考えないのでしょうか。

三色旗の下に写真を掲げられたキング牧師は果たして喜ぶか?

壁画ではありませんが、ある住宅のアイルランド三色旗の下には、マーティン・ルーサー・キング牧師の写真がありました。
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しかし今は亡きキング牧師も、同じくフォールズ通りに壁画で描かれた、今は亡きマンデラ大統領も、自分たちをIRAの無差別爆破テロ路線の象徴のように扱われて喜ぶとは思えないし、むしろ迷惑なのではないでしょうか。

「IRA」と店名が付けられた嫌な名前の店も

「IRA」なんて名前が付けられた嫌な店もあります。もっとも、テロ組織のIRAがIreland Republic Armyであるのに対し、この店の名前はIreland Republic Accessoriesなので、一応ごまかし程度に店名を変えてはいるのですが・・・・。
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かと言って店名がテロ組織の略称と全く同じというのは第三者の私には実に嫌な気分です。このカトリック地区には、今なおかつてのIRAの殺戮路線を支持する人が少なくないということなのでしょうか。

三色旗を掲げた二階建てフラットが立ち並ぶ公営住宅街

フォールズ通りと同じく、このバリーマーフィー通りも二階建てフラットが立ち並ぶ公営住宅街です。
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二階建てフラットには必ずと言っていいほどアイルランド共和国の三色旗が掲げられています。

交通ルール遵守呼びかけの壁画はユーモアが利いて面白い

中には政治とは全く無縁な、交通ルールの遵守を呼びかけるような壁画もあります。
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こんな風に政治が絡まない壁画であれば、ユーモアのセンスがなかなか利いていて、面白いと思うのですが。

車の通行量や多数の料理店などで活気のある大通り

大通りはそれなりに発展していて、車の通行量もそこそこあります。
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パブやレストランも多く、それぞれ活気があり、中には中華料理店やメキシコ料理店もあります。

平和になった今も続くプロテスタント地区との分断と亀裂

確かに紛争は終結し、爆弾テロリストは消え、警察や軍の戦車や装甲車もいなくなり、カトリック地区は平和になりました。街はそれなりに活気を持ち、生活水準が紛争時よりは確実に良くなっていることだけは間違いありません。かつては紛争地の中でもハイリスク・エリアだった土地の平和な今を直に見ることができたこと自体はとても良かったと思います。

ただ、平和になった今でも、カトリックとプロテスタントが和解し共存しているようには到底見えず、残された無数の壁画に象徴されるように、分断や亀裂は今なお続いているようでした。北アイルランドだけに限りませんが、本当の平和とは何なのか、和解とか共存とは一体何なのか、考えれば考えるほど、正直よく分からなくなってくるのがこの西ベルファストという街でした。

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カテゴリ:北アイルランド > ベルファスト
また、旅行記ではありませんが、北アイルランド紛争に関する歴史考察については、以下の記事をご参照ください。
北アイルランド紛争に関する歴史考察
さらに、北アイルランド紛争に関する映画については、以下の記事をご参照ください。
カテゴリ:世界の映画 > 南北アイルランド

アクセス

メトロバスNo.82, 106a, 106b, 532でフォールズ通りにあるバス停Beechview Parkより徒歩15~20分。

ベルファスト国際空港から市内には、エアポート・エクスプレスバスNo.300でヨーロッパ・バス・センターまで約35分。

ダブリンからベルファストには鉄道でコノリー駅から約2時間10分、エアコーチバスがオコンネル・ストリートから約2時間20分、バス・エーランがオコンネル・ストリートから約2時間25分になります。ダブリン国際空港からも両社のベルファスト行きのバスは出ています。バスの本数は1時間に1本程度あります。

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鉄道の移動でもダブリンからベルファストには2時間程度で行けます。日本で予め移動手段を確保しておけば安心感はあるかと思います。

周辺地図

(参考に)北アイルランド(イギリス)の各種情報

■航空券
日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとロンドン経由の便が主力で、乗継地までは約12時間、そこからベルファストまで2時間程度の移動となるため、乗継の待ち時間を含めて20時間程度かかります。

ドバイ経由の便もありますが、ドバイを経由した後にイギリスのマンチェスターなどを再度経由することになるため、2回の乗継の待ち時間も含めて30時間程度かかります。

航空会社はブリティッシュ・エアウェイズが主力で、ドバイを経由する場合はエミレーツ航空とイギリスのローカル航空会社の共同便になります。航空運賃は12万円~17万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が20万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意ください。

ドバイやドーハなどを経由して、ダブリンへの往復便を利用し、ダブリンからベルファストへは電車での往復をするようにすれば、トータルの料金を10万円以下に抑えることも可能です。

詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
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■ビザ
6か月以内の滞在であればビザは不要。ただし空路で入国した場合には、入国時に往復航空券を提示することが必要となります。ダブリンからバスや鉄道で北アイルランド入りした場合は、税関や入国審査は特にありません。6か月以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日英国大使館などでご確認を。

■言語
英語

■通貨
通貨単位はアイルランドポンド(IEP)。1€が約165円程度に相当。ダブリンからバスや鉄道で北アイルランドされる場合、アイルランドで使用されていたユーロは使えなくなるのでご注意ください。空港や鉄道駅、銀行などの両替で、ユーロをアイルランドポンドに両替するようにしてください。

■時差
日本よりマイナス9時間(サマータイム実施中は日本よりマイナス8時間になります)。

■宿泊施設
安価なホテルやゲストハウス、ドミトリーなどであれば3000~4000円/泊程度でも泊まれますが、そこそこ設備の良いホテルだと7000円/泊以上かかります。

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。特に、北アイルランドでは夏でも肌寒く、最高気温でも15~16度にしかならないので、暖房の有無をご確認ください。夏季や冬季の長期休暇が近づくほど宿泊費が高くなるため、早めに予約するようにしてください。詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
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海外ホテル検索、Booking.com 
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