近代化以前のアイスランドの漁業の歴史を、海洋博物館の展示から読み解く

おはようございます。今日も私の記事を訪問してくださりありがとうございます。

 

さて、アイスランドという国に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

恐らく、多くの方々は、火山や氷河といった、壮大な大自然のイメージをアイスランドに対してお持ちかと思います。

 

確かに、壮大な大自然はアイスランドの大きな見所ですが、過酷な大自然を持つ環境の国で人々が営んできた産業を記録した博物館の充実もまた、アイスランドの隠れた見所の1つです。

 

そうした、過酷な環境下でアイスランドの人々が営んできた主力の産業の1つが漁業であり、首都レイキャビクの海洋博物館では、漁業の歴史に関する記録がとても充実しています。中でも、近代化以前の漁業や漁村の展示は、過酷な環境下での暮らしを最も強く感じさせる、とても印象的な展示でした。

 

というわけで、今回は、漁業の国としてのアイスランドの歴史を知ることができる、首都レイキャビクにある海洋博物館の展示に基づき、近代化する以前のアイスランドの漁業の歴史に関する記事を書かせて頂きます。

 

 

アイスランドの主産業である農業と畜産業と漁業

 

10世紀からアイスランドに植民を開始したヴァイキングたちは、国王ハーラル一世から追いやられた元々の祖国ノルウェーの農業と家畜をアイスランドに持ち込みました。加えてヴァイキングとして従事した海洋交易と漁業をも持ち込み、アイスランドは農業と畜産業と漁業が現在まで同国の主産業としての役割を持つことになります。

 

一方で、アイスランドで現在の農畜産業と漁業の形態が本格的に定着したのは、飢餓と疫病が蔓延し、多くの家畜が死んだ15世紀以降と言われます。牛や豚の飼育数が激減することで逆に羊の飼育数が激増し、小麦の生産量の減少は逆に漁業の主産業としてのウェイトをさらに拡大することとなりました。

 

20世紀半ば以降、GDPに対する割合が低下し、漁獲量が減少しているものの、漁業は依然としてアイスランドの基幹産業であり続けています。

 

 

漁業近代化以前のアイスランドの漁業の歴史

 

つまりアイスランドは紛れもない漁業であり、そんなアイスランドの漁業の歴史を知るための観光施設が、レイキャビク港の傍にある海洋博物館です。

 

1階にも多少の展示はあるものの、展示のほとんどは2階の展示スペースにあり、2階に足を踏み入れた最初のエリアには、産業として近代化するよりも以前のアイスランドの漁業の展示があります。

 

 

干乾しにより保管された魚

 

まず、以下は干乾しにされて保管された魚の展示です。

 

冬が長い寒冷地であるため、薪を入手しにくく海水を煮詰めて塩を作りにくい環境から、初期の漁業では塩漬けではなく、日光と風で自然乾燥させるこうした干乾しが主な保管方法でした。

 

この干乾しの方法は漁業の近代化と技術が発展した現在にも受け継がれています。

 

 

トロール漁船以前の木造漁船

 

また、トロール漁船が発展するよりも以前の、木造漁船の展示もあります。

 

 

 

こんな船でよく漁業に日々繰り出していたものだと感心してしまいます。世界最北のアイスランドの過酷な環境を考えると、本当に大変だったことでしょう。当時の漁師たちに頭が下がる思いです。

 

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近代化以前の漁村の絵画や写真

 

近代化以前の漁村を描いた絵画や写真も展示されています。

 

いずれも18世紀~19世紀にかけての、トロール漁船が開発される以前の漁村のようです。

 

こちらは漁業近代化以前のレイキャビクの漁村の写真です。

 

 

干乾しが完了した魚の保管倉庫の絵画

 

干乾しが完了した魚を保管する当時の倉庫の絵画も展示されています。

 

こちらもやはり18世紀~19世紀にかけての倉庫の描写のようです。

 

 

近代化以前の食用加工や漁業の道工具の展示

 

倉庫の絵画の手前には、当時の魚の加工に用いた道工具や、タラを加工して作った食用油や日々の食事などが展示されています。

 

もちろん加工用の道工具だけでなく、当時の漁業で用いられていた道工具も多数展示されています。

 

 

 

 

主な展示品は石の錘、アンカー、タラの肝臓から採取した油、タラの油を用いたランプ、ハンマー、クランプなどです。いずれも18世紀~19世紀に使用されたもので、19世紀末からのトロール漁業の発展に伴い衰退したとされています。

 

 

アイスランド近海の魚たちの図解説明も

 

また、さすが海洋博物館らしく、アイスランド近海に生息する様々な魚を図解で説明する展示もあります。

アイスランドや北欧で最も多く採れるのはやはりタラのようです。

 

 

アイスランドの漁業が今後も衰退せずに活況を維持することを

 

今なお漁業がアイスランドの基幹産業であることは間違いありませんが、工業やサービス業の発展、特に観光業や再生エネルギー事業の発展に伴い、GDPに占める漁業の割合は年々低下しています。漁獲量は世界的に多いものの、一方でタラなどの主力の魚の漁獲量が減少しており、それが魚の価格の上昇、輸出量や国内での消費量の低下をもたらす結果となっています。

 

首都レイキャビクでも、美味しいシーフード料理は海外の観光客にとっては大きな魅力には違いありませんが、一方で料理の値段がべらぼうに高いことが難点です。経済構造と主力産業の転換に伴い、アイスランドの漁業は果たしてどこに向かうのか。

 

過酷な国土環境下で育まれ続けてきた漁業だからこそ、経済や主力産業が転換する今後にもアイスランドの漁業には衰退することなく、活況を維持し続けてほしいものです。

 

 

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レイキャビク海洋博物館の各種情報

 

入場料

 

博物館内部だけの見学はkr1500。オージン号の船内ツアーだけでもkr1500。博物館見学+オージン号ツアーのセットであればkr2200。

 

 

開園時間

 

博物館の開放時間は10時~17時。オージン号の船内ツアーは13時、14時、15時の3回。

 

 

アクセス

 

14番の市内バスのグランダガズル(Grandagazur)のバス停から徒歩1分。

 

バス停から見た博物館の外観。

 

博物館の港側に停泊している沿岸警備艇オージン号の外観。船内ツアーは今回は時間が合わず果たせなかったので、次回のお楽しみにしたいと思います。

 

 

レイキャビクでの市内バスの乗り方

 

市内バスの乗車券の購入場所は少なく、ケフラヴィーク国際空港の他、10-11というスーパーマーケットでも購入できます。1回だけの乗車券はkr440、1日券はkr1500、3日券はkr3100になりますので、滞在中の乗り降りの頻度に合わせてご活用ください。なお、運転手から現金で乗車券を購入することもできますが、お釣りが出ませんのでご注意。

 

10-11スーパーマーケット。緑色の看板が目印。

 

レイキャビク市内のバス。どの路線のバスも一様に黄色い車体です。

 

市内バスの路線図は、上述のケフラヴィーク国際空港や10-11スーパーマーケット、あるいは滞在中のホテルでも入手可能なので、目的地の最寄りのバス停をご確認の上、該当する路線バスをご活用ください。

 

市内中心部にあるライキャルトルグと、ケフラヴィーク国際空港と市内を結ぶフライ・バスの発着するBSIバスターミナルに行くには、主に1番、3番、6番の市内バスを使います。バスの本数はどの路線も1時間に4本程度です。

 

 

周辺地図

 

 

 

(参考に)アイスランドの各種情報

 

航空券

 

日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとパリ、コペンハーゲン、ヘルシンキ、アムステルダム等の経由便があり、乗継地までは約12時間、そこからレイキャビクまで3~4時間程度の移動となるため、乗継の待ち時間を含めて約20時間かかります。

航空会社はエアフランス、スカンジナビア航空、フィンランド航空、KLMなど。

 

航空運賃は28万円~35万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が40万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

海外格安航空券を探すなら スカイチケット!

【航空券+ホテル】海外旅行エクスペディア★パッケージツアー

 

 

ビザ

 

3か月以内の滞在であればビザは不要。ただしパスポートの有効期限が、アイスランドを含むシェンゲン協定加盟国出国時に3か月以上残っていることが必要となります。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日アイスランド大使館などでご確認を。

 

 

言語

 

公用語はアイスランド語ですが、英語の通用度は非常に高く、市内バスやタクシーでも普通に英語が通じます。交通標識や案内掲示板などにもアイスランド語と英語が必ず併記されているため、英語が話せれば不自由に感じることはありません。

 

 

通貨

 

通貨単位はクローナ(単数)とクローヌル(複数)。現地表記はkr。kr1が約1円程度に相当。

 

 

時差

 

日本よりマイナス9時間。

 

 

宿泊施設

 

安価なホテルであっても最低15000円/泊はかかり、そこそこ設備の良いホテルだと20000円/泊以上かかります。ホテルに限らず、1食最低5000円以上かかる食費や交通費など、アイスランドでは全般的に物価が高いです。

 

10000円/泊未満で泊まれるホテルもありますが、寒いのに暖房が使えなかったり、市内中心部に行くのに市内バスで20分以上かかってアクセスが不便だったりといった難点があるので、あまりお勧めはしません。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。夏季や冬季の長期休暇が近づくほど宿泊費が高くなるため、早めに予約するようにしてください。詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)

 

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海洋博物館のメインの展示は漁業の発展の記録ですが、漁業の発展がもたらす波及効果は、単に漁業の発展だけには留まりません。本記事も含めた、そんな海洋博物館のいくつかの見所については、下記記事も併せてご参照ください。