サガ博物館の展示から読み解く漫画「ヴィンランド・サガ」のヴァイキングたちの世界

こんばんは。今日も私の記事を訪問してくださりありがとうございます。今回は、かつてのヴァイキングたちが移住した国であるアイスランドを象徴する博物館である、首都レイキャビクにあるサガ博物館のリアルな等身大のろう人形の展示に基づいて、漫画「ヴィンランド・サガ」の主人公やヴァイキングたちの世界の再現記録に関する記事を書かせて頂きます。

 

 

漫画「ヴィンランド・サガ」の世界を再現したサガ博物館

 

幸村誠氏が描かれた「ヴィンランド・サガ」は、ヴァイキングたちの世界を描いた、日本ではほぼ唯一と言える貴重な作品です。

 

話自体はフィクションですが、主人公のトルフィン・トールズスソン(別名トルフィン・カルルセブニ)や、彼が幼少から慕うレイフのおっちゃんことレイフ・エイリクソン、デンマークのクヌート王など、実在の人物も少なからず登場しており、それまでは資料でしか書かれなかったヴァイキングたちの世界と歴史が、日本人にも身近に感じられる優れた内容の漫画となっています。

 

そんなトルフィンたちヴァイキングの世界を再現したサガ博物館が、レイキャビク港のすぐ傍にあります。

博物館の入口には、アイスランドへの初めての入植者と言われるヴァイキングの首領、インゴールヴル・アルナルソンの馬に乗った銅像があります。

 

 

馬共々に精悍な姿で、いかにも戦場を駆ける戦士といった感じです。防具を付けた格好は、「ヴィンランド・サガ」のヨーム騎士団の戦士たちの姿によく似ています。

 

ちなみに、アイスランドへの植民は西暦870年頃で、トルフィンが誕生したと推測される西暦1000年戦後よりもかなり前の話なので、「ヴィンランド・サガ」には残念ながらインゴールヴル・アルナルソンは登場しません。

 

 

ノルウェー国王の圧政を嫌い逃げ延びたヴァイキングたちの国

 

中世アイスランドで著された数多くの「サガ」の1つ「植民の書」によれば、初めてノルウェー国内を統一した国王ハーラル1世の圧政を嫌って海外に逃れた、アルナルソンを始めとするヴァイキングたちが築いた国がアイスランドであるとのことです。

 

この歴史的経緯については、漫画「ヴィンランド・サガ」でも、第1巻でレイフのおっちゃんから幼少のトルフィンに対して語られていました。

 

漫画ではノルウェー国王の名前が「ハラルド」となっていますが、「ハラルド」と「ハーラル」は恐らく英語とアイスランド語の違いによるものかと思われます。

 

 

植民当時の人々の姿を再現したリアルな等身大のろう人形の展示

 

さて、そんなトルフィンの祖先たちの植民当時の生活の情景が、博物館内にはろう人形で展示され再現されています。以下、それらのろう人形の展示の写真を適当に掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれのろう人形も生き生きとした造りで、本物の生きている人間のようにリアルです。

 

植民当時の人たちの暮らしの過酷さと、過酷な環境下でも人間らしく生きようとした人たちの姿が如実に伝わってくるかのようです。

 

冒頭の赤い服を着たインゴールヴル・アルナルソンと奥さんの硬い表情は、植民当初の彼らの強い覚悟が感じられる良い表情だと思いますし、中盤の母親と子供の人形の表情には、過酷な環境下でも失われない親子の絆が感じられてとても温かみがあります。

 

スポンサーリンク


 

 

世界最古の民主議会アルシングを発展させた13世紀の一族

 

ノルウェー国王の支配を嫌って逃げ延びたアイスランドの人たちが、王政に代わるシステムとして誕生させたのが、西暦930年頃から始まったとされる、世界最古の民主議会とも言われるアルシングです。

 

とは言え、海洋の戦士としての誇りを持つヴァイキングの人たちを法律や調停で従わせることは容易ではありません。人々の抵抗を経て、アルシングが本格的に発展したのは13世紀以降と言われます。

 

以下のろう人形はアルナルソン一族とは別の、アルシングを発展させた13世紀のアイスランドの支配者一族の人たちのものです。

この一族は政治や財務の能力に長けていただけでなく、詩人や著作家としても活躍し、数多くの著作を残したとされています。このリアルなろう人形からも、彼らの知的な様子が伝わってきます。

 

 

アルシングの調停と支配者一族への不満が原因で起きた反乱

 

もちろん、アルシングが発展した時代にも、調停に反対し、支配者一族に対して反乱を起こす者もいます。以下のろう人形は、そうした支配者一族に対する反乱の一例の展示です。

 

2人の若者が起こした反乱で支配者一族の5人の人間が惨殺され、この事件をきっかけに、当時の支配者一族の衰退が始まり、後にアイスランドの支配者は別の一族に取って代わられることになったようです。

 

余談ですが、アルシングに不満を抱く人たちのもめ事の様子は、漫画「ヴィンランド・サガ」でも描かれています。牧草地の境界線を巡る争いで、アルシングの調停に納得がいかず、トルフィンやレイフたちの村と、ハーフダンが統治する村が更なるもめ事を起こす寸前の一触即発の描写が「ヴィンランド・サガ」の第1巻にありました。

 

悲しいことですが、どれだけ争いを防ぐ仕組みを設けても、いつの時代、どこの国でも争いは完全にはなくならないようです。

 

 

深刻な伝染病と飢餓に見舞われた15世紀

 

15世紀の初頭、あるイギリス人航海士のアイスランド到着をきっかけに、イギリスからの伝染病がアイスランドに飛び火し、その後2年間で当時のアイスランド全人口の3割の人が亡くなったとされています。

 

サガ博物館には、伝染病が蔓延した当時の深刻な飢餓を再現した展示もあります。

 

お父さんが亡くなり、自身も伝染病に感染したお母さんと幼い娘さんの、深い哀しみが伝わってくる展示です。見ているこちらもとても悲しい気持ちになります。

 

 

博物館受付のすぐ傍にある観光客向け土産物店とカフェ

 

上述のろう人形の展示は受付を終えた後の別室にあります。博物館を入ってすぐの場所にある受付の傍には、土産物店とカフェがあります。

 

ちゃんとした食事を取るには物足りないですが、ろう人形の展示を見る前か後に、コーヒーを飲んで少し気晴らしをしたり、日本へのお土産を探すには良いかと思います。

 

 

失われた世界を垣間見られるレイキャビク有数の観光博物館

 

このろう人形たちの中に、「ヴィンランド・サガ」のトルフィンや彼の家族や、レイフのような人たちがいたのかと思うと、失われた世界の一端に触れたような気がして、とても感慨深いものがありました。

 

展示数自体は少なく、30分もあれば十分見れる内容ですが、失われたヴァイキングの世界の一端に触れられるレイキャビク有数の貴重な観光博物館なので、レイキャビクに行かれた際には是非訪問してみてください。

 

スポンサーリンク


 

 

サガ博物館の各種情報

 

入場料

 

kr2100

 

 

開園時間

 

10時~18時

 

 

アクセス

 

14番の市内バスのグランダガズル(Grandagazur)のバス停から徒歩1分。

 

 

レイキャビクでの市内バスの乗り方

 

市内バスの乗車券の購入場所は少なく、ケフラヴィーク国際空港の他、10-11というスーパーマーケットでも購入できます。1回だけの乗車券はkr440、1日券はkr1500、3日券はkr3100になりますので、滞在中の乗り降りの頻度に合わせてご活用ください。なお、運転手から現金で乗車券を購入することもできますが、お釣りが出ませんのでご注意。

 

10-11スーパーマーケット。緑色の看板が目印。

 

レイキャビク市内のバス。どの路線のバスも一様に黄色い車体です。

 

市内バスの路線図は、上述のケフラヴィーク国際空港や10-11スーパーマーケット、あるいは滞在中のホテルでも入手可能なので、目的地の最寄りのバス停をご確認の上、該当する路線バスをご活用ください。

 

市内中心部にあるライキャルトルグと、ケフラヴィーク国際空港と市内を結ぶフライ・バスの発着するBSIバスターミナルに行くには、主に1番、3番、6番の市内バスを使います。バスの本数はどの路線も1時間に4本程度です。

 

周辺地図

 

 

 

(参考に)アイスランドの各種情報

 

航空券

 

日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとパリ、コペンハーゲン、ヘルシンキ、アムステルダム等の経由便があり、乗継地までは約12時間、そこからレイキャビクまで3~4時間程度の移動となるため、乗継の待ち時間を含めて約20時間かかります。

航空会社はエアフランス、スカンジナビア航空、フィンランド航空、KLMなど。

 

航空運賃は28万円~35万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が40万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

海外格安航空券を探すなら スカイチケット!

【航空券+ホテル】海外旅行エクスペディア★パッケージツアー

 

 

ビザ

 

3か月以内の滞在であればビザは不要。ただしパスポートの有効期限が、アイスランドを含むシェンゲン協定加盟国出国時に3か月以上残っていることが必要となります。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日アイスランド大使館などでご確認を。

 

 

言語

 

公用語はアイスランド語ですが、英語の通用度は非常に高く、市内バスやタクシーでも普通に英語が通じます。交通標識や案内掲示板などにもアイスランド語と英語が必ず併記されているため、英語が話せれば不自由に感じることはありません。

 

 

通貨

 

通貨単位はクローナ(単数)とクローヌル(複数)。現地表記はkr。kr1が約1円程度に相当。

 

 

時差

 

日本よりマイナス9時間。

 

 

宿泊施設

 

安価なホテルであっても最低15000円/泊はかかり、そこそこ設備の良いホテルだと20000円/泊以上かかります。ホテルに限らず、1食最低5000円以上かかる食費や交通費など、アイスランドでは全般的に物価が高いです。

 

10000円/泊未満で泊まれるホテルもありますが、寒いのに暖房が使えなかったり、市内中心部に行くのに市内バスで20分以上かかってアクセスが不便だったりといった難点があるので、あまりお勧めはしません。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。夏季や冬季の長期休暇が近づくほど宿泊費が高くなるため、早めに予約するようにしてください。詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)