こんばんは。前回に引き続き台湾の烏山頭について、今回はダムの麓にある、建設工事の職員と家族たちが住んでいた街についての記事を書かせて頂きます。

職員と家族たちが住んでいた烏山頭の街

八田與一技師は、本工事に先立ち、家族の元気な姿を日々見ながら職員たちが安心して働けるように、烏山頭に職員と家族が住む街をも築きました。かつてここは単に職員の住居が立ち並ぶだけでなく、職員とその家族を合わせると2000人近い人々が住む、街そのものでした。

住居群とともに病院や購買部やプールや学校もあった!

住居群と一緒に病院や工場も立ち並び、生活品を購入するための購買部もありました。また娯楽施設も充実していて、弓道場、プール、テニスコート、野球場があり、屋内娯楽場では玉突き、将棋、囲碁、麻雀が自由にでき、映画も毎月上映されていたと言われています。技術者や労働者の子供たちのための学校も造られ、運動会や野球大会、盆踊りなども定期的に行われていたとされています。

民主化後の時代に復旧された当時の八田家の住居

とても残念なことですが、当時の街並みは戦後に衰退してしまい、もう見ることができません。そうした街のうちのほんの一部が、民主化以降の時代にようやく復興されました。もちろん当時の面影はないものの、それでもこの場所に確かに街があったことが、この住居群の様子から見て取れます。

住居群の中で代表的なのが、再現された八田家の住居です。
PB010035
八田家の住居の庭に民主化後の時代に立てられた妻・外代喜の銅像。子供を抱いている姿がいかにも良き妻であり良き母親という感じでとても良いです。

PB010036
妻・外代喜さんもまた、誰にでも優しい良い人であり、放水口に身を投げて亡くなった時には、子供たちだけでなく、烏山頭に住んでいた多くの日本人と台湾人が深く悲しみました。

建物を外から眺めた八田家の住居は以下のような感じです。
PB010031

PB010032

PB010042

PB010040

PB010039
いかにも日本建築らしい木造家屋です。住居の建物内部を見れなかったことがとても残念です。

PB010038
そしてこちらは、八田家の住居の内部の光景です。いかにも日本式の木造家屋で、庭園も池があっていかにも日本庭園といった美しさです。

PB010034

PB010033
庭に咲いている木々や花々もまたとても綺麗です。

職員たちの住居の一部も民主化後の時代に再現

八田家の住居とともに、職員たちの住居もほんの一部ですが再現されています。
PB010047

PB010044
八田家の住居と同様、いかにも日本建築らしい木造家屋です。

新たに建てられた物産店や記念碑

住居群の近くには、やはり民主化後の時代に新たに建てられた土産物店群と、記念碑があります。
PB010048

PB010045
日本と台湾のこれからの友好を祈って立てられた石碑の横には、桜の木々も植えられています。訪れた時期が秋だったので、さすがにもう花は咲いていませんが。

今も健在な水力発電所

ちなみに、当時の職員たちの街に電力を供給していた水力発電所は、今なおきちんと稼働しています。
PB010018
建物の外観はいかにも中華式といった感じですが。

嘉南農田水利協会の管理事務所も健在

水力発電所のすぐ傍には、当時から続く嘉南農田水利協会(戦前までの嘉南大圳組合)の管理事務所と、嘉南平原へとつながる給水路があります。
PB010019

PB010020
これらも当時から現在に至るまできちんと機能しています。

当時の住居群を復興してくれた台湾の人たちに感謝を

当時の街並みがなくなってしまったことはとても残念ですが、それでも烏山頭でこの住居群を訪れることで、八田夫妻や子供たち、烏山頭で働いていた多くの人たちの幸せな暮らしの一端を思い浮かべることができる場所が確かにあったことが分かります。日本人と台湾人の技術者や労働者たちが共に、家族とも一緒に働きながら幸せに暮らしていた場所が確かにあった時代と場所を思い浮かべることができます。そういう意味では、当時の街のほんの一部とはいえ、この住居群を復興してくれた台湾の市井の人たちに、やはり心から感謝すべきなのでしょう。

烏山頭ダムが世界遺産に登録されることを祈って

私は天国や地獄といった世界の存在は全く信じておらず、神とか宗教とか霊魂というものの存在にもかなり乾いた考えを持っているのですが、この烏山頭という土地では八田夫妻の心が今なお存在し、ダム湖とこの土地を見守ってくれているような感覚にとらわれました。夫妻の心がこの土地に生き続け、ずっと烏山頭のダム湖と街を見守り、彼らの志がずっと受け継がれ、嘉南平原が豊かな土地であり続けることを祈り、そして地元の人たちの新たなる願いである、烏山頭ダムの世界遺産登録が実現することを私も心から願いつつ、烏山頭の記事を今回で締め括らせて頂こうと思います。

入場料

八田與一記念公園への入場料は200元。住居群の見学は記念公園への入場料を払えば可能。撮影可。

開園時間

記念公園の開園は火曜~日曜の9時~17時半。住居群の見学は、火曜~金曜は9時~12時と13時半~17時半、土日・祝日は9時~17時半に可能。月曜は休園。解説員の案内で不定期に毎週1か所のみ、住居内の見学も可能。

アクセス

記念公園には台湾鉄道「善化」駅より「烏山頭水庫」行きの橘4路バスが7時50分、10時10分、12時40分、16時半、19時半発。所要約30分。バス代片道49元。あるいは台湾鉄道「隆田」駅よりタクシーで約15分。タクシー代の目安は片道300元程度。

時間がなければベルトラ等の現地発のツアーで

私は記念公園内を徒歩で回りましたが、公園内は広大で移動に時間がかかり、結果的に記念館内部や八田家の住居内部を見学できずに終わるなど、非常に残念な思いをしました。限られた時間の中で記念公園内を効率良く見学されたい場合には、現地発のツアーがお勧めです。特に、ベルトラで予め日本で現地発ツアーに申し込んでおけば、嘉義市内にあるKANOこと嘉義農園高校野球チーム関連の見所とセットになった1日ツアーにて複数の見所を効率良く見学できますし、ホテルへの送迎もあり、何より日本語で申し込んで日本語のツアーに参加できるので、とても安心感があります。下記リンクよりご検索・ご予約ください。
24時間オンライン予約可能★世界中のオプショナルツアー取扱VELTRA

ベルトラ等の現地発オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。
現地発オプショナルツアーの適度な活用について

周辺地図

(参考に)台湾の各種情報

■航空券
東京(羽田or成田)~台北まで直行便で約4時間。到着空港は成田からであれば台湾桃園国際空港に、羽田からであれば台北国際(松山)空港になります。東京(成田)~高雄までは直行便で約4時間半。航空運賃はいずれも4万円~6万円程度。航空会社はエバー航空が最も安く、他にキャセイパシフィック航空やチャイナエアラインやANAなど。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などからも直行便があります。GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が十万円単位まで跳ね上がることもあるのでご注意。乗継便は、航空会社によっては1万円程度安くなることもありますが、10時間以上かかることが多いのであまりお勧めしません。
詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

【航空券+ホテル】海外旅行エクスペディア★パッケージツアー

■ビザ
90日以内の観光目的で滞在の日本国民は、出国のための予約済みの航空券か乗船券を持っていればビザは不要。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日台湾大使館などでご確認を。

■言語
公用語は中国語。英語の通用度は日本と同程度。観光客向けの中級以上のホテルやレストランなどであれば、むしろ日本語の方が良く通じることがあります。

■通貨
1台湾元が3~4円程度に相当。

■時差
日本よりマイナス1時間。

■宿泊施設
安価なホテルであれば3000台で泊まれるところもありますが、そこそこ設備の良いホテルだと4000円以上はかかります。ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。詳しくはエクスペディアで検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル