こんばんは。前回に引き続き台湾の烏山頭について、今回は烏山頭ダムのすぐ傍にある八田墓園の記事を書かせて頂きます。

座り込んで考え込むようなスタイルの八田與一の銅像

烏山頭ダムのすぐ傍の八田墓園に、八田與一の銅像と、八田與一・外代喜夫妻のお墓があります。
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八田與一の銅像と後ろにある八田夫妻のお墓。

この八田與一の銅像は、ラフな作業着姿で地面に座り込んで、考え込むようなポーズを取っています。また大きさも一般の人間と同じ程度のサイズしかありません。銅像というとどうしても、不必要なほど巨大で、上から人民を見下しているような種類のものがまず頭に浮かびますし、現に台北にある蒋介石の銅像はまさにそんな造りなのですが、この八田与一の銅像はそういう類の銅像とは全く違う、工事の進捗や安全を苦悩しながら監督者として仕事をしている、技術者としての姿そのものです。

日本式に御影石を用いられた八田夫妻の墓

夫妻の墓は、日本が敗戦を迎えた翌年にあたる、1946年に立てられました。1946年以降は国民党政権による独裁体制の時代となり、反日政策によって、日本人は尽く日本に強制送還され、日本的なものが一掃された時代です。台湾総督である児玉源太郎や民生長官である後藤新平の銅像が撤去され、その代わりに馬鹿みたいに巨大な蒋介石の銅像が造られたような時代です。そんな時代に、地元の台湾の人たちによって夫妻の墓は立てられました。日本式に御影石も使われています。

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八田與一の銅像と八田夫妻の墓がある八田墓園の様子。(烏山頭ダムを訪問時に撮影)。

八田與一の銅像が建てられた経緯

八田與一の銅像の方は、嘉南大圳の完工の翌年、1931年に造られました。工事に実際に関わった監督者、技術者、事務員、労働者、その家族たちをはじめ、与一を慕い尊敬する人たちによって交友会が結成され、工事を終えて台北へと去っていく与一への感謝を示すため、銅像を造ることが交友会により決定されました。

ダムの建設に携わったのは自分だけではないとして、当初は交友会の要望を固辞した与一ですが、交友会の人たちの熱い気持ちに心を動かされ、それなら正装して威厳に満ちた顔で高い台の上から見下ろすような銅像にだけはやめてほしいという与一の希望を受け、このような仕事人としての銅像スタイルになったとされています。

奇跡的に金属供出による溶解を免れた八田與一の銅像

その後、日本の政府と軍部自体が招いた愚かな戦争により、鉄や銅を始めとする金属供出の一環として、與一の銅像も徴収されるハメになりましたが、奇跡的に溶解を免れて放置されていたのを、嘉南大圳の工事で職員として働いていた人の子どもが戦後に偶然発見しました。

嘉南農田水利協会の人々に保護された八田與一の銅像

先述の通り、戦後は反日政策を掲げる国民党独裁政権の時代。日本人の銅像が次々に撤去される時代に與一の銅像設置が認められるはずもなく、戦前の嘉南大圳組合から引き継がれた嘉南農田水利協会によって買い戻されて密かに隠され、盗まれたり傷つけられたりしないよう管理事務所で守られ、万一銅像が破壊された時のために銅像の金型まで造られていました。そんな水利協会の人たちの願いが叶い、銅像が今の場所に設置されたのは、反日政策が緩まった1981年になってからです。

烏山頭ダムを見守ってくれているかのような八田與一の銅像

この八田墓園には遠方から訪れる人も多く、八田與一技師の命日にあたる5月8日には毎年ここで墓前法要が行われ、家族や工事に関わった人たちだけでなく、政府の要人も数多く訪れているようです。墓園には草木や花々が生い茂り、銅像や墓を見守ってくれているようですが、與一の銅像もまた、今なおきちんと機能する烏山頭ダムを見守ってくれているかのようです。

入場料

八田與一記念公園への入場料は200元。八田墓園の見学は記念公園への入場料を払えば可能。撮影可。

開園時間

記念公園の開園は火曜~日曜の9時~17時半。月曜は休園。

アクセス

記念公園には台湾鉄道「善化」駅より「烏山頭水庫」行きの橘4路バスが7時50分、10時10分、12時40分、16時半、19時半発。所要約30分。バス代片道49元。あるいは台湾鉄道「隆田」駅よりタクシーで約15分。タクシー代の目安は片道300元程度。

時間がなければベルトラ等の現地発のツアーで

私は記念公園内を徒歩で回りましたが、公園内は広大で移動に時間がかかり、結果的に記念館内部や八田家の住居内部を見学できずに終わるなど、非常に残念な思いをしました。限られた時間の中で記念公園内を効率良く見学されたい場合には、現地発のツアーがお勧めです。特に、ベルトラで予め日本で現地発ツアーに申し込んでおけば、嘉義市内にあるKANOこと嘉義農園高校野球チーム関連の見所とセットになった1日ツアーにて複数の見所を効率良く見学できますし、ホテルへの送迎もあり、何より日本語で申し込んで日本語のツアーに参加できるので、とても安心感があります。下記リンクよりご検索・ご予約ください。
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ベルトラ等の現地発オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。
現地発オプショナルツアーの適度な活用について

周辺地図

(参考に)台湾の各種情報

■航空券
東京(羽田or成田)~台北まで直行便で約4時間。到着空港は成田からであれば台湾桃園国際空港に、羽田からであれば台北国際(松山)空港になります。東京(成田)~高雄までは直行便で約4時間半。航空運賃はいずれも4万円~6万円程度。航空会社はエバー航空が最も安く、他にキャセイパシフィック航空やチャイナエアラインやANAなど。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などからも直行便があります。GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が十万円単位まで跳ね上がることもあるのでご注意。乗継便は、航空会社によっては1万円程度安くなることもありますが、10時間以上かかることが多いのであまりお勧めしません。
詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
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■ビザ
90日以内の観光目的で滞在の日本国民は、出国のための予約済みの航空券か乗船券を持っていればビザは不要。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日台湾大使館などでご確認を。

■言語
公用語は中国語。英語の通用度は日本と同程度。観光客向けの中級以上のホテルやレストランなどであれば、むしろ日本語の方が良く通じることがあります。

■通貨
1台湾元が3~4円程度に相当。

■時差
日本よりマイナス1時間。

■宿泊施設
安価なホテルであれば3000台で泊まれるところもありますが、そこそこ設備の良いホテルだと4000円以上はかかります。ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。詳しくはエクスペディアで検索を。
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