旅行や出張でフィリピンに行かれた際に、太平洋戦争の話題や関連スポット訪問時の参考になればと思い、歴史考察の記事を書かせて頂きます。

米軍のフィリピン反攻の本格化とルソン島上陸

1944年12月にレイテ島の戦いで日本軍が敗北した後、米軍のフィリピン反攻が本格化します。そして1945年1月29日、米軍がリンガエン湾に上陸。日本軍は湾沿いで反撃を試みるものの、たちまち沿岸重砲陣地が制圧され、戦車師団も壊滅に追い込まれ、クラーク飛行場も爆撃で日本軍機を破壊され米軍に奪還されることになります。

山下奉文大将はマニラの無防備都市化を決定するが

山下奉文大将と彼が率いる第14方面軍は、ルソン島になお28万7000の兵力の守備隊を有していたものの、レイテ島で4万を超える兵力を失い弱体化していました。兵力の温存と同時に、マニラを無防備都市にして戦場対象から外し、マニラを焼かず、壊さないため、バギオを中心とする山岳地帯に後退して米軍とのルソン島での持久戦を図るため、山下大将と第14方面軍はマニラから撤退します。

残留した海軍陸戦隊によるマニラ市街戦

しかし、山下大将の指揮下にない海軍陸戦隊は、通信機器が破壊されたことによる連絡の不徹底や、2月から始まった米比軍と抗日ゲリラの合同軍の奇襲により撤退の機会を失ったことから、約2万人がマニラに残留。岩淵三次海軍少将の下、全滅覚悟で激しい抵抗戦を展開し、これがマニラの街の破壊と住民の大虐殺につながることになります。

参考文献

レイテ島での敗北からマニラ市街戦に至る過程を簡潔にまとめた書籍としては、NHKの以下の取材記をお勧めいたします。


マッカーサーや米軍側の立場からフィリピン戦を捉えた書としては、以下をお勧めいたします。



フィリピンに限定はされませんが、左右のイデオロギーを排して、太平洋戦争の経緯について淡々と記した良書としては以下をお勧めいたします。

太平洋戦争〈上〉 (中公新書)
児島襄
中央公論新社
2014-07-11


太平洋戦争〈下〉 (中公新書)
児島襄
中央公論新社
2014-07-11


参考映像資料

また、マニラ市街戦の全貌を記録した映像資料としては、同じくNHKの下記DVD資料をお勧めいたします。



地獄のような市街戦の詳細が記録されていますが、レイテ島の敗北以降の経過についても記録されています。