湾岸アラブの近代化と伝統文化が混在する世界―バーレーンの高層ビル群と旧市街の市場通りから読み解く

こんばんは。今日も私の記事を訪問してくださりありがとうございます。

 

さて、湾岸アラブ世界というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

アラブ・イスラム世界というと、サダム・フセインやカダフィのように恐怖政治を敷く独裁者や、無差別テロを行うアルカイダやイスラム国のように、何かとネガティブなイメージがつきまといます。恐らく、イラク、シリア、リビアのような破綻した紛争国家のイメージが強いかと思います。

 

しかし、世界全体で12億人のイスラム人口がいるように、イスラム世界は国や地域によって多様であり、近代化とイスラム伝統文化を混在しつつ、穏健で平和な国造りに成功している国もたくさんあります。湾岸アラブ世界のバーレーンやクウェートは、そのような比較的成功した国々の部類に入ると言えます。

 

というわけで今回は、ネガティブイメージとは違った、イスラムが魅力的に活用された国に関心をお持ちで、なおかつ実際にそうした世界を体感してみたい方向けに、バーレーンの首都マナーマを舞台として、高層ビル群とモスクと市場が混在し、近代化と伝統文化が混在する湾岸アラブ世界に関する記事を書かせて頂きます。

 

 

湾岸アラブ世界で最初に石油が発見されたバーレーン

 

石油大国のサウジアラビアに比べて存在感が薄いので見落とされがちですが、湾岸アラブ世界で最初に石油が発見されたのはバーレーンです。1932年6月に油田が発見されて以来、衰退傾向だった天然真珠産業に代わって石油産業が主産業となり、世界恐慌の脅威を抑える形で、バーレーンは湾岸アラブ初の急速な近代化と経済発展を遂げることになりました。

 

 

近代化と経済発展の象徴である首都マナーマの高層ビル群

 

石油発見当時に比べて経済成長に陰りはあるものの、それでもバーレーンの首都マナーマは石油産業による近代化と経済発展を体現する湾岸アラブ有数の都市であり、それを象徴する高層ビル群がマナーマには林立しています。

 

首都マナーマの象徴とも言える、ワールドトレードセンタービル。ツインタワーは3つのスカイブリッジで結ばれ、かつスカイブリッジには風車が取り付けられています。

 

車や人の通行量はさほど多くないものの、マナーマの街並みは東京やソウルや香港の都会ぶりとさほど変わりません。

 

 

 

こちらは証券取引所。

 

銀行の隣にある時計台らしき建物は郵便局ですが、郵便局がいかにもモスクのように見えるのは湾岸アラブ世界ならではです。

 

 

マナーマから海を隔てたバーレーンの別都市、ムハッラクから眺めた対岸のマナーマの光景です。やはりパット見ただけでは香港や東京の都心部と変わりません。

 

 

 


ただし、外務省の建物の隣のビルに王族の写真が掲載されていたり、国道の途中で王族の写真や彼らが中心となって展開する事業の広告が目立つのは、やはり湾岸アラブ諸国ならではです。

 

スポンサーリンク


 

 

首都マナーマのもう1つの象徴である真珠広場のモニュメント

 

首都マナーマには、高層ビル群と並んでもう1つの象徴的建造物である、真珠広場のモニュメントがあります。

 


この広場とモニュメントは、かつてアラブの春に端を発したシーア派のデモ隊の人たちがここを拠点とし、治安部隊がここにいるデモ隊を排除していたことが報道されていましたので、ニュース映像でご記憶の方も多いのではないかと思います。

 

今はすっかりデモ隊も治安部隊もいなくなり、閑散とした雰囲気に戻りました。後ろには国道と高速道路が並行して走っています。

 

なお、真珠広場とモニュメントのすぐ傍には、コーランの資料館を兼ねた、一般観光客も立入可能なモスクが建っています。

 

 

首都のもう1つの世界であるモスクの多い伝統的な市場通り

 

さて、市内中心部を少し離れた箇所にある、バーレーン門をくぐり抜けると、街並みの雰囲気ががらりと大きく変わり、伝統的な市場通りが広がります。

市内中心部へと至るバーレーン門。後ろに高層ビルが控えているのが見て取れます。この写真の手前にあるのが旧市街、つまり伝統的な市場通りになります。

 

市場通りに入って真っ先に気が付くのは、通りに建つモスクの多さです。

 

市場通りの外れにある、国道沿いに建つモスク。モスクの周りにある建物も庶民的なショップ型の建物が多く、高層ビルは殆ど見られません。

 

以下は市場通りにある別のモスクです。

 

モスク近くの露店で野菜や果物が売られていたり、伝統的で庶民的なアラブ料理店があったりするのは、いかにもアラブ世界ならではです。

 

ブルーの色使いがとても美しいモスク。イスラム建築の美しさならではです。

 

以下はモスク以外の市場通りの光景です。

こんな感じで、旧市街では色々な日用品が売られており、高層ビルは殆どありません。小さい一軒家としてのショップが殆どです。

 

別の店で売られている主に女性向けのファッションや日用品。中には新スーパーマンの女性キャラを真似たファッションが売られていたりします。

 

庶民の商売と生活の場であるので、旧市街は都心部に比べると人通りが俄然多くなり、かなり活気があります。

八百屋の前で立ち話をする、店員とお客さん。

 

コンビニらしきショップもありますが、日本のセブンイレブンやファミリーマートとは明らかに雰囲気が違います。

 

女性向けのファッションも日本や欧米、アジア諸国とは大きく違います。

いわゆるアバーヤ、全身黒ずくめのムスリム女性向けのファッション。テレビのニュースでおなじみですね。

 

一方でこちらは、やはり伝統的な女性向けながらも、先のアバーヤに比べるとかなりカラフルなファッションです。インドの女性たちが着ているサリーにどことなく似ていますが。

 

以下、市場通りの光景の写真を適当に掲載します。

 

 

 

 

市場通りを歩いていると何世紀か前のアラブ世界にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えますが、売られているものがサムスンやノキアの携帯電話だったり、すぐ近くに高層ビル群が見えたりすると、やはりここは21世紀の世界なのだと気付きます。

 

 

平和で穏健な王族統治下で近代化と伝統文化を両立させたバーレーン

 

アラブ世界で初めて油田が発見され、大きな近代化を遂げたバーレーン。しかしバーレーンの石油は徐々に枯渇に近付いており、政府は産業の多角化を迫られています。また、デモと暴動は平和的に終息したものの、シーア派の人々が抱える不満は依然大きく、こうした各種の問題に対し、バーレーン政府は今後難しい対応を迫られることになりそうです。

 

それでも、穏健で緩やかな王族統治の下、近代化と伝統文化を両立させて平和を保ち続けていることがバーレーンの魅力なので、これからもその魅力はずっと維持し続けてほしいものです。

 

スポンサーリンク


 

 

マナーマの見所の各種情報

 

入場料

 

ワールド・トレード・センター、市場通り、真珠広場のいずれも入場料自体は無料。

モスクは通常、一般観光客の立入不可。

ただしコーランの資料館を兼ねたモスクは一般観光客の入場が可能です。入場料は無料ですが、自身の予算に応じて寄付をすることをお勧めします。

 

 

開園時間

 

ワールド・トレード・センターおよび市場通りの入場可能時間は、ショップにより異なります。

モスクは通常、一般観光客の立入不可。

ただしコーランの資料館を兼ねたモスクは一般観光客の入場が可能です。コーランの資料館の入場可能時間は、土曜日~水曜日は9時~12時および16時~18時、木曜日は9時~12時のみとなります。金曜日および7月と8月は休館になります。

 

 

アクセス

 

バーレーン国際空港からマナーマ中心部まではタクシーもしくは直通バス(A2)で約15分程度。タクシー代は片道でBD6~7程度。直通バス(A2)はBD0.3になります。

 

 

周辺地図(ワールド・トレード・センター)

 

 

 

周辺地図(バーレーン門)

 

 

 

周辺地図(真珠広場)

 

 

 

(参考に)バーレーンの各種情報

 

航空券

 

日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとアブダビ、ドバイ、ドーハ、イスタンブール、コロンボ、マニラ、香港等の経由便があり、乗継の待ち時間を含めて約20時間かかります。

航空会社はカタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空、ターキッシュエアラインズ、キャセイパシフィック航空、フィリピン航空、スリランカ航空など。

 

航空運賃は12万円~14万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が18万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意。

 

詳しくは、HISやスカイチケット、エクスペディアなどで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

海外格安航空券を探すなら スカイチケット!

【航空券+ホテル】海外旅行エクスペディア★パッケージツアー

 

 

空港でのビザ取得

 

入国時に空港で滞在ビザを取得できます。費用はそれぞれ、シングルビザ(2週間)がBD5、マルチビザ(1か月)がBD25になります。米ドル、ユーロ、クレジットカードでの支払いも可能であるため、入国時に比較的容易に取得できます。ビザ申請時には、バーレーン出国時におけるパスポートの残存有効期間が6か月以上あることが必要になります。

 

 

言語

 

公用語はアラビア語ですが、英語の通用度は非常に高く、バスやタクシー、レストラン、博物館でも普通に英語が通じます。交通標識や案内掲示板などにもアラビア語と英語が必ず併記されているため、英語が話せれば不自由に感じることはありません。

 

 

通貨

 

通貨単位はバーレーン・ディナールとフィルス。現地表記はBDおよびFils。BD1が1000Filsおよび約300円程度に相当します。

 

 

時差

 

日本よりマイナス6時間。

 

 

宿泊施設

 

バーレーンにはゲストハウスやエコノミーホテルのように安価な宿泊施設はありません。宿泊施設はビジネスホテルのレベルのものからで、最低でも6000円/泊はかかります。

 

その一方で、物価が高い首都マナーマの中心部でも10000円/泊未満で宿泊できるビジネスホテルは多数あり、そこそこ設備も整っていて周囲の騒音もさほどないため、わざわざ高級ホテルに宿泊する必要はありません。

 

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス、朝食の有無等)をよくご確認ください。特に、バーレーンは常夏の国で、夏季(6月~9月)には最高気温が40℃を超えることもあり、冬でも最低温度が25℃にはなり、湿度が年平均で80%にも達するため、エアコンと冷蔵庫は必須と言えます。夏季や冬季の長期休暇時には、宿泊費が多少高くなることがありますのでご注意ください。

 

詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
リアルタイム空室確認が分かりやすい!エクスペディアの海外ホテル
海外ホテル検索、Booking.com
TripAdvisor (トリップアドバイザー)

 

国内の見所を短時間で効率良く回るならベルトラの現地オプショナルツアーで

 

時間や日程が限られた中で、バーレーン国内の見所を効率よく観光される場合は、ベルトラのツアーの参加をお勧めいたします。

 

首都マナーマの見所を1日で回るツアーでは、国内で最大規模を誇るグランドモスクを始め、国立博物館、コーラン資料館、旧市街の市場通りや中心部の大型ショッピングモールなどの主要な見所を8時間で回ることができます。

 

また、4時間かけての半日だけのツアーも様々なものが催行されており、ムハッラクの世界遺産を巡るツアー、第1号油田と石油博物館と生命の木を見学するツアー、ディルムン文明の遺跡を巡るツアーなどが、主な半日だけのツアーとして催行されています。

 

日本でベルトラ催行のツアーに申し込んでおけば、ホテルへの送迎がありますし、何より日本で日本語で申し込めるので、とても安心感があります。ただし、ツアーは全て英語でのガイドツアーで、日本語ガイドのツアーはありません。

 

もしベルトラの現地オプショナルツアーを必要とされる場合は、下記リンクよりご検索・ご予約ください。
24時間オンライン予約可能★世界中のオプショナルツアー取扱VELTRA

ベルトラの現地オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。

 

スポンサーリンク


 

 

関連記事

 

バーレーン滞在時の各種諸注意

 

サウジアラビアやクウェートなどに比べれば戒律が緩いとは言え、イスラム教国であるバーレーンでは、欧米や東南アジアなどに比べるとイスラム教の戒律故の様々な制約があります。モスクでの礼拝、女性の旅、アルコールとたばこ、写真撮影など、バーレーンでの滞在時における各種諸注意については、下記記事に詳しく記載してありますのでご参照ください。

 

 

 

湾岸アラブ諸国の近代都市の関連記事

 

石油の富を背景にして近代化を遂げつつ、石油の発見以前からのイスラム伝統文化も混在させている湾岸アラブ諸国の都市の光景に関しては、下記記事を併せてご参照ください。

 

 

 

石油発見以前の湾岸アラブ世界の見所の関連記事

 

天然真珠産業が主要産業だった時代やディルムン文明時代のバーレーンなど、石油発見以前の伝統文化が残る湾岸アラブ世界に関しては、下記記事をご参照ください。

 

 

 

湾岸アラブと石油の歴史の関連記事

 

それぞれの湾岸アラブ諸国で石油がいつ頃、当時のどのような社会事情を背景にして発見されたのか、石油の発見にはどのような人物や会社が関わったのかの歴史考察については、下記記事を併せてご参照ください。

 

 

 

湾岸アラブの天然真珠産業の歴史的経緯の関連記事

 

石油発見以前のバーレーンや湾岸アラブ諸国で、天然真珠産業がどのように行われ、当時の首長やイギリス政府によりどのような改革が行われたのかなどの歴史的経緯に関しては、下記記事をご参照ください。