おはようございます。前回同様、フィリピンのマニラについて。今回はどちらかというと中流以上の階層の人たちにとっての憩いの場である、マニラ湾近辺についての記事を書かせて頂きます。

フィリピンは日本どころではなく貧富の格差が大きな国で、同じマニラ市内でも地域によって居住者の階層がはっきりと異なる、著しい階層化社会です。ただ、そんなフィリピンの各層の人たちにも1つの大きな共通点があります。それが人々の陽気さ、明るさ、人懐こさ、屈託のなさだと言えます。

訪れたのが日曜日だったから余計でしょうが、マニラ湾は紛れもなく憩いの場で、フィリピン人の陽気さが発揮される場所でした。

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マニラ湾沿いの広場でラジオ体操?に興じる人たちです。体操というよりはむしろ踊りですが。

富裕層、貧困層といった階層を問わず、フィリピン人はとにかく陽気で、踊りが大好きで、日本人のように恥ずかしがることが全くなく、人前でも突然平気で踊り出したりすることが多々あります。特に音楽に関しては楽譜なしでも耳で容易に覚えることができ、流暢な英語で踊りながら上手に歌えるという優れた才能があります。

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この広場に集まっている市井の人たちも、バンドマンやクラブの女性ダンサーほどではないものの、踊りや歌の才能は十分に備わっているのではないかと思えます。もっとも、ここで踊っている人たちは若い男女よりもむしろ、中年の女性が多かったですが。

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彼らが踊っている広場の周りにはこのように中流以上の人向けのレストランが多数あり。

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やはり人々の憩いの通りがあります。座り込んで気持ち良さそうにのんびりしている人たちには若い人も多いです。湾にはフェリーが多数停泊しています。

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この通りでも体操というか踊りに興じている別の人たちがいます。本当に楽しそうです。

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手拍子をしながら楽しそうにリズムに乗っているので、やはり体操というより踊りですね。とはいえただのラジオ体操以上にかなり良い運動にはなると思います。

この湾沿いの通りは、フェリー乗り場や後述するココナッツパレスの近くにあり、多くの車両が行き交うビトクルス通りの近くにあります。そして下の写真は、この通りからマビニ通りを眺めたものです。
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高層ビルや高層マンションが林立するこの光景だけを見ると、フィリピンが「東南アジアの病人」と呼ばれ、国内に1日に2ドル未満で暮らす貧困層が約3800万人存在し、経済成長に乗り遅れて今なお世界銀行から発展途上国に分類されている国だとは思えなくなります。

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しかしこの光景だけを見て、フィリピンが先進国だとはやはり言えません。日本の大企業の創業者並みの資産を持つ富裕層がいる一方で、貧困故に学校にも通えない子供たちが多数いるフィリピン。日本も昨今は貧富の格差が拡大し続けていますが、途上国の貧富の格差は日本の比ではありません。

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光景をビトクルス通り付近に戻します。この写真はビトクルス通り付近の別の広場で、バスケットボールに興じる子供たちです。

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高校生くらいの子供たちもいれば、小学生くらいの子供たちもいます。学校にも行けない貧困層の子供たちが多数いるのがフィリピンではあるのですが、中流以上の子供たちがバスケットボールを楽しんでいる光景を見ると何だか安心してしまいます。

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やはりビトクルス通り付近の別の場所では、マラソン大会?らしきものも行われていました。当たり前かもしれませんが、皆若い人ばかり。学生たちの大会でしょうか。

広場には、優勝者を発表する場所?らしき舞台もあります。

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発表された人が壇上に上がっています。

フィリピン人の陽気さが良く表れている大会ではありますが、一方でどこか日本の運動会を想起させる光景でもあり、こういう光景を見ていると、人間の喜怒哀楽ってさほど変わらないのかなあとも思えてきます。もっとも、心から楽しそうに屈託なく笑っているのは間違いなくフィリピンの人たちの方ですが。

こんな感じで憩いの場で過ごす人の数もすごいですが、このビトクルス通りを行き交う車両もまた多い。中でもジプニーが多数行き交う光景はやはりフィリピンならではです。
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ジプニーの車体には色々な絵が描かれています。

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中にはこんな車体のジプニーも。

言わずと知れたかつての日本の大人気のスポーツ漫画、「スラム・ダンク」が車体に描かれています。この漫画を読んでバスケットボールにのめり込んだ人たちも多かったのではないでしょうか。懐かしさがこみ上げると同時に、日本の漫画がフィリピンでも人気を誇っていることに、とても深い感銘を受けました。

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桜木花道とゴリこと赤城は分かりますが、もう1人の顔が見えません。流川か、リョーチンか、ミッチーか、それとも綾南の仙道か。誰だか分からないのがとても残念です。

ビトクルス通りを市内中心部から離れる方向にさらに行ったところに、ココナッツパレスがあります。
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このココナッツパレスは副大統領官邸も兼ねた迎賓館で、1981年にローマ法王のフィリピン訪問に合わせ、当時独裁体制を敷いていた悪名高きマルコス大統領によって建てられました。独裁体制下で建てられたというマイナス面はあるものの、その名の通り建物の殆どがココナッツで造られ、周りにヤシの木が多数生えているというのはいかにもフィリピンらしい趣を感じさせます。

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一般公開がされていないので、建物内にも敷地内にも入れないことが残念です。

踊りやバスケットボールに興じる人たちで賑やかなビトクルス通りの近辺において、このココナッツパレス近辺は比較的人通りが少なく穏やかな場所ですが、それでも市井の人たちの憩いの場であることは変わりありません。

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ココナッツパレスの傍で、楽しそうにバドミントンをしている家族の写真です。

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見も知らぬ他人である私が近づいても、陽気に人懐こい笑顔を向けてくれました。これまでに出張や旅行で出会った他のフィリピン人たちと同じく、この家族もとても人懐こくて良い人たちでした。

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同じくビトクルス通り近辺で出会った、別の家族です。小さな子供が可愛い。とても仲が良さそうな両親。この家族とも先のバドミントンを楽しんでいた家族とも、恐らくもう会うことはないでしょうが、これからもずっと幸せでいてほしいです。

ココナッツパレスからマビニ通りまで戻ってくると、上述の写真と同様、首都圏らしい高層ビルが目立ちます。
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巨大な貧富の格差による二極化が顕著なフィリピン社会。フィリピンが東南アジアの経済成長の恩恵にうまく乗れなかったのは、工業化社会への移行の失敗が原因の1つだと言われます。

確かにフィリピンでは美味しい果物や野菜が豊富にあって食べ物には困らないのですが、一方で鉄道やエネルギーといった基礎インフラすら立ち遅れています。他方で観光業やコールセンター等のサービス業が成長し、英語留学先としても人気があるので、徐々に新興国として注目され始めていることもまた事実。

そうした強みと弱みを併せ持ちながら、フィリピンは今後どうなっていくのか。この国の最大の魅力である、人々の明るさ、人懐こさ、屈託のなさが原動力となって、色々な問題を抱えつつもフィリピンが確実に良い方向に向かっているはずだと信じたいです。