こんばんは。前回に引き続き台湾南部の烏山頭について、今回は、烏山頭ダムの周辺にある関連施設についての記事を書かせて頂きます。

映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」でも撮影された放水口

関連施設の中でも最大の見所は、ダム湖の傍にある、嘉南平原に用水を供給するための放水口でしょう。
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残念ながらこの時は放水されていませんでしたが、ここはつい最近大ヒットした映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」でのロケ地にも使われた場所です。

ちなみに、映画では放水された時の様子が映されています。
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映画「KANO―1931海の向こうの甲子園」で映された、烏山頭ダムからの放水時の映像。(写真は映画より抜粋)。

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映画「KANO―1931海の向こうの甲子園」で放水を見守る、八田技師を演じた大沢たかお氏。(写真は映画より抜粋)。

この放水口は、嘉南大圳の完成と給水路への放水が初めてなされた記念すべき場所であると同時に、八田與一の妻・外代喜が身を投げて自殺した、とても悲しい場所でもあります。嘉南大圳が今なお嘉南平原の多くの人々の暮らしに貢献している一方、外代喜を始めとして嘉南大圳に関わった人たちの中には犠牲となった人も多い。そういう意味では、この烏山頭ダムでの出来事は、決して喜ばしいことばかりではありません。

放水口に隣接する八田與一記念館

放水口のすぐ隣には、八田與一記念館があります。ここも放水口と並んで、関連施設の中で最大の見所です。
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本当なら記念館内部の展示を見たかったのですが、見学の時間配分がダム湖に偏ってしまい、記念館に辿り着いた時には残念ながら開館時間を過ぎてしまいました。八田與一や嘉南大圳に興味をお持ちの方には、是非とも記念館も見学して頂き、どんな展示内容があるのか教えてください。

本工事に先立つ仮設工事と鉄道工事

技術者としても人間としても台湾の人々から尊敬され慕われる八田與一技師の下、1920年に嘉南大圳の工事が着工しましたが、東洋最大の灌漑設備の建設工事、しかも東洋で全く前例のないセミ・ハイドロリックフィル工法による工事なだけに、着工して即本工事ということにはならず、職員の住宅や事務所の仮設工事だけでも大規模になり、また膨大な土砂を運搬するための鉄道工事も必要でした。鉄道車両は、蒸気機関車が12台、台車は100台にも及びました。

ドイツから輸入した、そんな蒸気機関車の1台が、八田墓園のすぐ近くに展示されています。
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半世紀以上前に、当時は過酷な土地だった嘉南平原や烏山頭を大量の土砂を積んで何往復もしていた汽車とは思えないほで綺麗です。あまりに不釣り合いな綺麗さなので、観光向けに整備されて清掃されたのでしょうね。

給水路に架けられた吊り橋も仮設工事の1つ

給水路の一部には、中華式の吊り橋が架けられているところもあります。この吊り橋が架けられたのがいつの時代なのかは分かりませんが、これもまた嘉南大圳の本工事に伴う、仮設工事の1つと言えます。
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橋の向こうに何かあるのか見たかったのですが、残念ながら時間がなくて行けませんでした。

技術者や労働者たちの安全祈願と冠婚葬祭のための天壇

給水路や吊り橋のすぐ傍には、中華式の天壇があります。
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この天壇で日々の作業に従事する技術者や労働者の安全を祈願し、かつ冠婚葬祭にもここがよく使われていたとか。労働者である台湾人に配慮したようですが、こうしたところにも、八田與一の人格者としての姿を垣間見ることができます。ただ、この天壇が八田與一の時代に築かれたのか、それ以前からあるものなのかが分かりませんでした。どなたかご存知の方がいたら教えてください。

今も健在の浄水場と隣接する慰霊碑

記念館と放水口に辿り着いた後、すぐに日が暮れて夜になってしまいましたが、このすぐ傍には、今なお稼働している浄水場と、工事の過程で犠牲になった人たちの慰霊碑があります。
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この慰霊碑は完工後に立てられました。八田夫妻と、嘉南大圳の工事の過程で亡くなられた全ての方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

不幸な出来事よりも幸せな出来事と時代に想いを馳せて

上述の通り、嘉南大圳や烏山頭ダムの建設工事では事故や伝染病で犠牲になった方々も多く、この建設工事では決して幸せな出来事ばかりだったわけではありません。それでも、今なお台湾の人々から深い尊敬を集める八田夫妻と一緒に仕事ができだだけでなく、職員や家族たちの住む街も建設され、幸せな出来事の方が数多くあったこともまた事実。KANOや嘉南大圳にご興味のある方には、是非この烏山頭の地を訪れて、あの時代と出来事について、想いを馳せてみて頂きたいと思います。

入場料

八田與一記念公園への入場料は200元。関連施設の見学はいずれも記念公園への入場料を払えば可能。撮影可。

開園時間

記念公園の開園は火曜~日曜の9時~17時半。月曜は休園。

アクセス

記念公園には台湾鉄道「善化」駅より「烏山頭水庫」行きの橘4路バスが7時50分、10時10分、12時40分、16時半、19時半発。所要約30分。バス代片道49元。あるいは台湾鉄道「隆田」駅よりタクシーで約15分。タクシー代の目安は片道300元程度。

時間がなければベルトラ等の現地発のツアーで

私は記念公園内を徒歩で回りましたが、公園内は広大で移動に時間がかかり、結果的に記念館内部や八田家の住居内部を見学できずに終わるなど、非常に残念な思いをしました。限られた時間の中で記念公園内を効率良く見学されたい場合には、現地発のツアーがお勧めです。特に、ベルトラで予め日本で現地発ツアーに申し込んでおけば、嘉義市内にあるKANOこと嘉義農園高校野球チーム関連の見所とセットになった1日ツアーにて複数の見所を効率良く見学できますし、ホテルへの送迎もあり、何より日本語で申し込んで日本語のツアーに参加できるので、とても安心感があります。下記リンクよりご検索・ご予約ください。
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ベルトラ等の現地発オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。
現地発オプショナルツアーの適度な活用について

周辺地図

(参考に)台湾の各種情報

■航空券
東京(羽田or成田)~台北まで直行便で約4時間。到着空港は成田からであれば台湾桃園国際空港に、羽田からであれば台北国際(松山)空港になります。東京(成田)~高雄までは直行便で約4時間半。航空運賃はいずれも4万円~6万円程度。航空会社はエバー航空が最も安く、他にキャセイパシフィック航空やチャイナエアラインやANAなど。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などからも直行便があります。GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が十万円単位まで跳ね上がることもあるのでご注意。乗継便は、航空会社によっては1万円程度安くなることもありますが、10時間以上かかることが多いのであまりお勧めしません。
詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
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■ビザ
90日以内の観光目的で滞在の日本国民は、出国のための予約済みの航空券か乗船券を持っていればビザは不要。それ以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日台湾大使館などでご確認を。

■言語
公用語は中国語。英語の通用度は日本と同程度。観光客向けの中級以上のホテルやレストランなどであれば、むしろ日本語の方が良く通じることがあります。

■通貨
1台湾元が3~4円程度に相当。

■時差
日本よりマイナス1時間。

■宿泊施設
安価なホテルであれば3000台で泊まれるところもありますが、そこそこ設備の良いホテルだと4000円以上はかかります。ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。詳しくはエクスペディアで検索を。
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