こんにちは。今回から数回に分けて、かつての紛争地としての視点でベルファストの記事を書かせて頂きます。

ヨーロッパで爆弾テロ件数最多と呼ばれたベルファスト

90年代半ばまで、北アイルランド紛争の中心都市であり、ヨーロッパで爆弾テロ件数が最多と言われたほどのベルファスト。中でも、市内で最も都心部と言える東ベルファストにある、ダブリンや他都市行きの電車やバスが多数発着するグレート・ビクトリア通りは、爆弾テロの最多発通りでした。

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現在のグレート・ビクトリア通りの光景です。爆弾テロで損壊した建物はもはやなく、装甲車や戦車もいなくなり、すっかり平和な場所になりました。

被害最多のグランド・オペラ・ハウスとヨーロッパ・ホテル

グレート・ビクトリア通の中でも、最も被害に遭ったのはグランド・オペラ・ハウスとヨーロッパ・ホテルです。
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グランド・オペラ・ハウスです。紛争が終わった今では再建されて見違えるように美しくなり、年間を通してオペラ、バレエ、ミュージカルが随時開催される、平和の象徴のようになりました。

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こちらはヨーロッパ・ホテル。かつてヨーロッパで一番爆弾テロの被害に遭ったというかなり不名誉なホテルですが、今では爆破された跡もなく、高級ホテルとして問題なく機能しています。

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ヨーロッパ・ホテルとグランド・オペラ・ハウスは隣接しています。そしてヨーロッパ・ホテルの反対隣のモールを通り抜けた先に、アイルランドの各主要都市への鉄道やバスの発着駅があります。

ベルファスト市の象徴であるシティ・ホール

グレード・ビクトリア通りから徒歩で東方向に5~6分行ったところに、ベルファスト市の象徴であり、都心部である東ベルファストの中心でもある、シティ・ホール(市庁舎)があります。
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この市庁舎自体は1906年という古い時期に建てられましたが、2012年に、タイタニック号沈没100周年を記念して、メモリアルガーデンとして整備されました。

ちなみに私が訪れたのは日はイベントが色々行われ、若者たちがロックンロールに興じていました。まさに市民の憩いの場になっています。爆弾テロが多発していた紛争当時なら、ロックやイベントに興じるどころではなかったでしょう。

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シティ・ホールの真横にあるこの建物には、ソニーのオフィスがあります。同じ日本の会社が、中世のヨーロッパを思わせる建物にオフィスを構えているのが、何だか不思議な感じがしました。

紛争当時に治安当局の本部だった建物の今

このシティ・ホールから徒歩数分のところに、紛争当時に治安当局の本部だった建物があります。
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東ベルファストの建物はどれも階数が低く、高くてもせいぜい10階程度なのですが、この旧治安当局本部は日本の超高層ビル並みで、20階以上あります。なので東ベルファストのどこから見てもやたらと目立ちます。

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一見マンションのように見えるこの建物ですが、このように屋上には無数のテレビカメラとパラボラアンテナが設置されていて、ベルファストのどこで異変が起きても素早く察知できるようにハイテク装備されていました。

火炎瓶や爆弾の攻撃にも耐えられるような材質で造られていて、窓は全て防弾ガラスでした。それでも無数の爆弾テロが市内で起きていたわけですが、こうした建物の存在こそが、紛争当時のイギリス当局とカトリック系住民の関係を物語っています。

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治安当局が退去した現在、解体工事中でビルは全く使われていない状態です。

治安当局に代わるテナントの可能性は思い浮かびません。調和の取れた東ベルファストの街並みにはあまりに不釣り合いなこの建物を、使おうとするテナントがあるとは思えないからです。かと言ってこの高層ビルを観光施設には変えにくいし、平和になった今では、もはや無用の長物なのかもしれません。

平和になった東ベルファストの街並み

以下、東ベルファストの街並みの写真を適当に。

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どの通りにも爆弾テロで損壊した建物はもう全くなく、戦車や装甲車もおらず、完全武装した警官隊や軍隊もいない。今の街並みは平和そのものです。

平和になっても分断と亀裂は続く

紛争当時の光景を知らない私が言うのもおかしいですが、ベルファストが平和になって良かった、かつての紛争地の平和な今の光景を見にきてよかったとつくづく思いました。

ただし、紛争が終わって平和になったということと、和解や共存が進んでいるかというのはまた別の問題です。都心部である東ベルファストとは対照的に、住宅街のある西ベルファストはカトリック地区とプロテスタント地区にはっきりと分断され、異宗派間の亀裂は続き、住民の交流は殆ど見られません。そんな西ベルファストの今の様子については、次回以降の記事でお伝えさせて頂こうと思います。

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北アイルランドのベルファストの見所については、以下の記事もご参照ください。
カテゴリ:北アイルランド > ベルファスト
また、旅行記ではありませんが、北アイルランド紛争に関する歴史考察については、以下の記事をご参照ください。
北アイルランド紛争に関する歴史考察
さらに、北アイルランド紛争に関する映画については、以下の記事をご参照ください。
カテゴリ:世界の映画 > 南北アイルランド

入場料(シティ・ホール)

無料。ただし原則的にはガイドツアーのみ見学可能となります。

開園時間(シティ・ホール)

月~金曜日は11時、14時、15時にツアー発。
土曜日は14時、15時にツアー発。
ツアーの予約は不要で、月~金曜日はシティ・ホール内のレセプション・エリアから出発、土曜日は建物の南側からの出発となります。
日曜・祝日は休館。

アクセス

シティ・ホールにはヨーロッパ・バス・センターもしくは鉄道のグレート・ヴィクトリア・ストリート駅から徒歩5~6分。

ベルファスト国際空港から市内には、エアポート・エクスプレスバスNo.300でヨーロッパ・バス・センターまで約35分。

ダブリンからベルファストには鉄道でコノリー駅から約2時間10分、エアコーチバスがオコンネル・ストリートから約2時間20分、バス・エーランがオコンネル・ストリートから約2時間25分になります。ダブリン国際空港からも両社のベルファスト行きのバスは出ています。バスの本数は1時間に1本程度あります。

ダブリンからの日帰りはベルトラの現地オプショナルツアーで

日数と時間が非常に限られており、ダブリンからの日帰りで済ませたい方は、ベルトラがダブリン発のベルファスト日帰りの現地オプショナルツアーを開催していますので、下記リンクよりご検索・ご予約ください。ご自身の訪問したい箇所がツアーに含まれているかどうか、予めご確認ください。
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ベルトラの現地発オプショナルツアーのメリットとデメリットに関しましては、ブログ内の下記の別記事をご参照ください。
カテゴリ:海外旅行全般 > 現地発オプショナルツアー

ベルファストへの鉄道移動の事前予約はレイルヨーロッパで

また、ツアーには参加したくないけど、ダブリンからの移動手段を予め確保しておきたいという方には、鉄道での移動も可能ですので、下記サイトからのご予約をどうぞ。
格安ヨーロッパ鉄道チケット

鉄道の移動でもダブリンからベルファストには2時間程度で行けます。日本で予め移動手段を確保しておけば安心感はあるかと思います。

周辺地図(シティ・ホール)

(参考に)北アイルランド(イギリス)の各種情報

■航空券
日本からの直行便はありません。東京(羽田or成田)からだとロンドン経由の便が主力で、乗継地までは約12時間、そこからベルファストまで2時間程度の移動となるため、乗継の待ち時間を含めて20時間程度かかります。

ドバイ経由の便もありますが、ドバイを経由した後にイギリスのマンチェスターなどを再度経由することになるため、2回の乗継の待ち時間も含めて30時間程度かかります。

航空会社はブリティッシュ・エアウェイズが主力で、ドバイを経由する場合はエミレーツ航空とイギリスのローカル航空会社の共同便になります。航空運賃は12万円~17万円が目安ですが、GW休暇や盆休みなどの連休や、航空会社の時間帯によって航空運賃が20万円近くまで跳ね上がることもあるのでご注意ください。

ドバイやドーハなどを経由して、ダブリンへの往復便を利用し、ダブリンからベルファストへは電車での往復をするようにすれば、トータルの料金を10万円以下に抑えることも可能です。

詳しくは、HISやエクスペディアで航空券の検索を。
海外旅行はエイチ・アイ・エス

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■ビザ
6か月以内の滞在であればビザは不要。ただし空路で入国した場合には、入国時に往復航空券を提示することが必要となります。ダブリンからバスや鉄道で北アイルランド入りした場合は、税関や入国審査は特にありません。6か月以上の滞在や留学などはビザが必要であるため、駐日英国大使館などでご確認を。

■言語
英語

■通貨
通貨単位はアイルランドポンド(IEP)。1€が約165円程度に相当。ダブリンからバスや鉄道で北アイルランドされる場合、アイルランドで使用されていたユーロは使えなくなるのでご注意ください。空港や鉄道駅、銀行などの両替で、ユーロをアイルランドポンドに両替するようにしてください。

■時差
日本よりマイナス9時間(サマータイム実施中は日本よりマイナス8時間になります)。

■宿泊施設
安価なホテルやゲストハウス、ドミトリーなどであれば3000~4000円/泊程度でも泊まれますが、そこそこ設備の良いホテルだと7000円/泊以上かかります。

ホテルの条件(Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン、目的地へのアクセス等)をよくご確認ください。特に、北アイルランドでは夏でも肌寒く、最高気温でも15~16度にしかならないので、暖房の有無をご確認ください。夏季や冬季の長期休暇が近づくほど宿泊費が高くなるため、早めに予約するようにしてください。詳しくはエクスペディアやBooking.com、トリップアドバイザー等で検索を。
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海外ホテル検索、Booking.com 
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